お知らせ

注目

■第22回 ゴリラボ・大塩理科研究会の例会は                               →12月2日(土)午後1時30分〜4時30分 近大姫路大学・新2号棟の3階理科室(309)で行います。 

■2学期の実践を持ち寄りましょう。お誘い合わせの上,ぜひご参加ください。

■交通:山陽電鉄・大塩駅下車,スクールバス利用                              12:21,36,51   13:06,21

■内容・・・今回もまず,参加された皆さんからの情報提供をしていただきたいと思います。資料や材料は20部お願いしたいです。その後,3学期の教科書実験・観察の実習を中心にして講座(3年:ものの重さ,磁石のはたらき         )をもちます。その他、体験(キュリー点)・工作(ガウス加速器,指先風車,針金樟脳アメンボ)・配布(大型オイラーの円盤:有料)。ご参加・ご協力よろしくお願いします。

■小学校理科関連の内容が主ですが,どなたでも参加していただけます。

第20回 ゴリラボ・大塩理科研究会 2017/06/10

★例会報告

今年度最初の例会です。梅雨入りしたばかりですが,ウソのように清々しい気候です。今回は,遠方から参加の方も含めて,常連さんがほぼ揃われました。ただ,後で中田さんと話したのですが,こんなに敷居の低い実践的な内容が盛りだくさんの小学校理科の勉強会はないので,もっと多くの方にこの時間を共有してもらいたいと願っています。後半に,内山先生のゼミ生お二人が参加されたことはうれしい収穫でした。

★Science Instruction

◆これぞ主,アオダイショウの抜け殻

IMG_2820柳田さんの奥様が見つけられた,2m近いアオダイショウの完全な抜け殻を見せてもらいました。昔は,天井の梁をゆったりと這う姿を見ても,驚きもしなかったそうです。ネズミの害などから守ってくれる家の主として,大事に思われていたんですね。

 

◆NHKで放映された,中田さんの理科朝会と授業(シャボン玉)

七松小中田さんの理科朝会がNHKに取材され,ニュース神戸の学校探訪で放映(6/1)されました。リハーサルからインタビュー,本番,関連授業など,いろいろ要望を受けて大変だったそうです。でも,さすがは中田さん,様々な楽しいシャボン玉実験あれこれを披露され,子ども達だけでなく,スタッフの若手教師の皆さんも確かな手応えを感じられたようです。なお,理科で取材を受けたのは初めてだそうで,そういう意味でもしっかり爪痕を残されました。シャボン玉実験には,気温と湿度が重要な要素です。乾燥しているとダメですが,湿度が70%以上でもダメです。それは,湿気が入って重くなるからだそうです。メインの子どもをすっぽり入れてしまうシャボン膜実験も,湿度次第だったようです。

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使ったシャボン液は市販品と自作品です。一度にたくさんのシャボン玉を作るため,骨だけ団扇・穴を開けた扇子・櫛などを工夫されました。巨大シャボン玉←動画を作る道具です。シャボン液を含ませて2人で引っ張ると,巨大虹色イモムシができあがり。割れないシャボン玉←動画は,手袋をして突き合いをすることができます。筒の先にストッキングの切れ端をかぶせてシャボン液をつけます。ゆっくり吹くと,何と小さな泡のタワー←動画が出現!ピッと切ったら,手の上でバランスを取って立てることもできました。

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モールで作った枠をシャボン液につけると,どんなシャボン膜が張るかな? 紐より下のシャボン膜を割るとどうなるかな? とても小さなたくさんの穴から出てくるシャボン玉はどんな形になるかな? 意外性で子どもの興味・関心をググッと引きつけます。フェルトを張ったラケットで,シャボン玉トス体験もさせてもらいました。

◆子ども達と保護者からの感謝のサプライズ!

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中田さんへ,文字通りこの上ない素晴らしいプレゼントが! とにかく凝りに凝ってる,感謝の気持ちが溢れ出てる,中田さんの与えてきたものの計り知れない大きさをギュギュ〜と1冊にまとめた,教師にとっては最高のいただきものです。

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これは,子どもだけでできるレベルではありません。保護者の気持ちもギッシリ詰まっています。ここまで支持されているということは,理科だけでなく,教師としての中田さんの影響力の大きさを物語っていますね。

◆アレンジ・割りバサミシューティング

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中田さんは,前回紹介した仮説の「割りバサミシューティング」に台をつけ,遊びやすく加工されました。これなら安定するので,的を狙いやすくなります。また的も,紙コップでは小さすぎるので,ペットボトルに塩ビ管の枠をつけて大きめにされました。子どもの実態に合わせてより楽しく遊べるよう工夫することを教わりました。

◆お土産

FullSizeRenderIMG_2930どこでもATM←動画:仮説フェスティバルで仕入れたネタです。これまでにあったカードをラミネート加工して,すいぶん使いやすくなったのがナイスアイディア!白黒模様をクルクル回転させているとねずみ色の円が見えてきて,チャリンと1円玉が転送されてきます!?「イクラでも出せる」オチがわかる人には大受けです。水面花←動画:水中花ならぬ水面花!1回目は実にゆっくり花開くので,少しイライラ。でも,水分を新聞紙で吸い取ってから2回目をやると,パッと開いて味気ない。やはり1回目のゆったり感は値打ちあったんですね。

★Science Introduction 

◆表面張力遊び

IMG_2938NHKの取材でシャボン玉の関連授業として取り上げたのが表面張力とシャボン玉。コップに水を入れてかき混ぜると泡ができます。しかし,その泡はすぐに消えてしまします。そこに洗剤を少し入れると,泡がもくもくできてなかなか消えません。なぜかな? コップに水を満タンに入れさせてから,子ども達にクリップをどんどん入れさせます。子ども達はおっかなびっくりです。何十個と入れても,水が盛り上がるだけでこぼれません。これが表面張力。ここで洗剤を1滴たらすと・・一瞬で表面張力が働かなくなって←動画こぼれます。表面張力の強い水の泡は,早く消えるということですね。

木材の道管を体験

IMG_2906木材にも道管があります。薄く輪切りにすると,光を通して見えるほどスッカスカのものがあります。タモの薄板を蛇口に押し当てると,すんなり水流を通してしまうほどでビックリ!疋田さんに教わった竹の割り箸でも,ブクブク泡が出てくるので,子ども達にはぜひさせたい体験です。

 

個別実験を可能にするUSB配線の加工

IMG_2847IMG_2839IMG_2844USB の配線の中は3本の線になっています。そのうち2本をミノムシクリップへつなぎます。こうして加工したUSBをハブに差し込んでコンセントにつなぎます。ハブで分岐されて1本が5V(乾電池3本分ぐらい)になるので,班ごとの個別実験ができるようになります。反応器をスポイト,電極をマチ針にして水酸化ナトリウム水溶液の電気分解を行いました。マイクロスケール実験です。発生した酸素と水素の量の差も一目瞭然!

★Presentation&Experiences

◆6年:柔毛での養分の吸収,肺胞でのガス交換,根からの吸水

IMG_2853脂肪はリンパ管に,ブドウ糖は血液に吸収されます。血液に養分が吸収される仕組み ですが,デンプンは水に溶けにくい(湯には溶ける)高分子ですが,麦芽糖は2分子 で,ブドウ糖1分子です。そのブドウ糖は100gの水に90gも溶けるので,90%ほどが水分である血液にも溶けて,全身に運ばれます。

IMG_2855肺胞でのガス交換の仕組みは,圧力とバランスの問題です。仮に毛細血管の中の二酸化炭素と酸素の濃度が50%ぐらいずつだとします。赤血球のヘモグロビン(含む鉄原子)は酸素とくっつく性質があります。酸素が肺胞に入ると,酸素とくっついてない赤血球がくっつこうとして酸素を取り込みます。その結果,酸素80%・二酸化炭素20%になったとします。酸素を30%入れようとすると,二酸化炭素を30%減らさないと入りません。だから,二酸化炭素が血液から追い出されるのです。ガス交換はすごい機能だが,こういう簡単な関係のうえに成り立っています。

IMG_2935根から水が吸収されるモデル実験をしました。細胞は半透膜で水を通します。注射器の細い口にビニルパイプをはめます。赤い色つけた濃度の高い液(砂糖水)を注射器で吸い取ります。ピストンを抜いてパイプをピンチコックでとめます。大きな口一杯まで空気が入らないように液を満たします。半透膜(セロハン)で口を包んで輪ゴムでとめます。これを濃度の低い液(水道水)に入れます。すると,浸透圧でパイプの水が上がっていく予定でしたが,うまくいきませんでした。この根圧,水の凝集力,そして,葉からの蒸散による吸引力などによって,10m以上も水が吸い上げられると考えられています。

◆中田さんの1学期あれこれ

IMG_2879IMG_2880中田さんが3月に行われたマイスター講義です。獣害と花粉症がどう結びつくの? 象の森が減少することとポテトチップスとがどうつながっているの? 人間本位の自然破壊が動物たちの安住の地を奪い,命さえも奪うことに気づかせてくれます。また,電車の中のドア横のパネルにあったクイズを紹介。高槻中の入試問題からの出題です。食物連鎖を食性がらみで理解しておく必要があります。ただ,答えをすぐに教えないのが中田さんのトレンドです。サスペンド(保留にしておく)ことは落ち着かないものです。でも,敢えてそうすることで,子どもの分かりたい欲求が高まるのではないでしょうか。

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授業開きでは何を取り上げますか。今年は桜だったそうです。桜の開花は東京が最初でした。なぜどうして? 植物の花芽の開花は,寒さにしっかり当たらないと準備が進まないそうです。九州など南の方では寒さが十分じゃなかったので,開花が遅れたのです。こんなことがあるので,自然は面白いですね。桜とからめて言葉も紹介します。5年生に桜の絵を描かせてみます。大きさ・形・色などをだいたい描かせた後で,本物を与えて比較させます。すると全然違う! 校庭で咲いている様子を見せます。花序を見ると,咲いている様子も思っているのと違う!

IMG_2939IMG_2885桜がつく言葉を一覧にして,1〜2選んで調べさせます。一人一人口頭か紙上発表をさせます。6年生には,俳句と短歌で桜を勉強させます。俳句と短歌を3種ずつ覚えて先生の前でスラスラ言えるようにさせます。言葉は何度も口に出すことで,自分の語彙になっていくと考えておられます。

IMG_2886中田さんは,5年の目標の1つである条件制御に違和感をいだいています。3条件を押さえることが次にどうつながっていくのだろうか。それに,発芽と成育が混同されています。また,適温と言いますが,一概に言えないのでは? 低温でないと発芽しない種や,25℃以上ないと発芽しない種があるからです。

3年の昆虫学習では,昆虫かどうかよりも,クモでも好きになることの方が大切ではないでしょうか。勉強してもイモムシ嫌いでは,教育効果が上がったとは言えません。もやしを家で育てさせました。ほとんどの子が,家で栽培に成功して食べたそうです。綿の種の発芽も家庭で挑戦させていますが,成果は今一。ただ,失敗も含めて 経験することが大切です。

IMG_2887子葉より双葉の方が,葉より本葉の方が理解しやすいのではないでしょうか。朝顔の双葉はどれかと聞いても?? 双子葉植物の双葉の名前がいくつはわかるでしょう。正答率は20%ぐらいです。実物を見せて考えさせます。6年生の花壇には,いろんなものが生えています。昨年の零れ種が,花壇を耕したために地表近くになって「僕の出番だ」と発芽したのです。

IMG_2889IMG_2927今年は水耕栽培にも挑戦されています。発泡スチロール箱でエアレーションを入れ,液体肥料で育てています。「100円グッズで水耕菜園」「土を使わない野菜作り」などの本が参考になります。トマトよりも葉ものを,ペットボトルでほのぼのやってもよいのではないでしょうか。

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卵パックをかぶせると,温室効果で,夜間の気温低下もクリアできるそうです。理科クイズ大会をされました。めくると問題が書いてあります。班対抗の点数制です。いくつかの花の写真を見せますが,子どもにとっては名前がわからないものばかり。ヒントは共通点があること。それは何か?  国の名前が入っているんですね。子どもはクイズが大好きなので,このようは提示は,子どもの記憶に残りやすいでしょうね。

IMG_2898IMG_2899植物に興味をもってくれない子ども達へのカンフル剤!? 朝日新聞の福岡伸一さんのコラムを紹介します。ギフチョウが希少種となりつつある理由はシカにあるそうです。人がスギを植栽したため下草が育たない。エサに困ったシカは人里へ降りざるをえず,ギフチョウの幼虫の食草であるカンアオイを食べつくしてしまうからです。獣害と花粉症は,このようにつながっているんですね。このように,教師は突っ込んでいろいろ調べているだろうか。調べれば,子どもに話をしてやれるのですね。

IMG_2925IMG_2926ダイソーなどで種子が手に入ります。冷蔵庫で保存すると長持ちするそうです。種子が採れたところは(タイワン・チリ・イタリア・アメリカ・インド・・)など様々。また,発芽率(子どもは100%だと思っている)も書いてあるので,紹介すると「そ〜なんだ!』 1年生でアサガオを育てます。播く種子はF1なので,発芽率100%! 優勢なんとかで作った種子ですから,播いたら芽が出ます。だから,発芽の3条件をなぜ学ぶのかとなるのです。6年生に根を描かせると面白い。雑草でもすぐ捨てず,水(丸型水槽)につけておくと,生き残るものがあります。1ヶ月間以上も! 根があって生きていけます。それが命そのものです。しかし,それを切られても,切り口から発根して生き延びようとします。「雑草」と見ていた子どもの見方が変わります。参観日に掲示して,保護者にも見てもらいます。

第19回 ゴリラボ・大塩理科研究会 2017/02/18

★例会報告

今年度最後の例会です。年に5回は少ないようですが,毎回時間が足りなくなるほど,いろんな情報や「もの」をいただいて来ました。ただ,常連さんが揃わない状態が続いているのが残念です。そんな中,高知からお二人がネタ持ちで参加していただけたのが大収穫でした。

★Science Instruction

MABORUN(マボラン)←動画

IMG_2257子ども達はミニ・ピタゴラスイッチと言って,ハマった子はいつまでも見ています。4種類あって,組み換えができるのも魅力です。なによりも,ほ〜っと感心させられる工夫と精巧な造り(SpaceRailのような微妙な調整が不必要)が人気です。ミニマボランも4種類あります。

 

オウム返しを超えたプーさん←動画

話しかけると瞬時に記録し,オウム返しをしてくれます。ただのオウム返しではなく,メロディーや声色を変えて返してくれるので,子ども達の人気者です。

◆驚きの年賀状13種

IMG_1250IMG_1252中田さんは「見た目おもしろい鳥」を取り集め,何と13種類もの年賀状に仕立てました。酉年なので,ハシビロコウ,タチヨタカ,ヨシゴイ,アオアシカツオドリ,アカアシカツオドリ,ヤンバルクイナ,ウソ,コウノトリ等々。学期の初めは,季節の話題から入る事にしているそうです。なぜなら,都市部の子ども達は,本当に鳥の事など知らないからです。来年は,巣箱の絵付けに挑戦予定です。

◆お土産

・ルチルとLEDルーペ:三浦さんに分けていただいたルチル。透明な石英の中に,チタンの針状結晶が入っているレアものです。上等のルチルは,宝石やパワーストーンとして扱われます。小さな石の中に,金色の針が何本も入っているものを選別しました。これを光源付ルーペで見ると,ありがたみが増します。・割りバサミシューティング:仮説の「楽しい授業」に載っていた簡単工作です。投石器のモデルと言ってもいいでしょう。コップの的に入れるのはかなり難です。輪ゴムの部分にもう1本輪ゴムを巻くと,飛距離ア〜ップ!(志水さん)・N・Sくん:仮説のフェスティバルで購入したものの追工作です。大江さんが作られた磁極判定器を,100円ショップの磁石ブレスレット(もう売っていない)を使って作ります。見えないものが見えるのは面白い!

★Science Construction

◆死環の不思議

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今回も,高田要さんの周到な準備で,死環の実習をさせてもらいました。「死環」自体,初めての方もあったかと思います。皆さん興味津々で,葉に蚊取り線香(5㎝ぐらい)の火を押し付けていました。3〜4秒間押さえつけると,死環がよく出るようです。死環とは,正式には「モーリッシュの死環,モーリッシュ反応」 熱で焦げるのではなく,細胞が破壊されることで,酵素が水溶性タンニンと結合して黒っぽい難水溶性タンニンを作るためです。「1つ目の死環のすぐ近くに線香の火を押し付けるとどうなるでしょう」という問題が出されました。正解は2番。すでに反応が終わってしまった1つ目の輪の中に,2つ目は入っていかないということで納得。野菜で死環が出るでしょうか? タンニンの有無で考えると・・・野菜は死環が出ないと言われていますが,ネギなどは出る! 出ない野菜は,タンニン(苦味になる)が無いか少なくなるよう品種改良されています。熱でなくても細胞を破壊すれば黒変するということで,タラヨウの葉(葉書きの元)に字が書けるのも同じ理屈です。

★Presentation&Experiences

◆4年:三態変化

IMG_1182・GIFアニメでイメージ作り:小中一貫が現場に浸透しつつある中,小学校の内容が中学校にどう繋がるかを把握することが重要視されています。そこで,内山先生に,水の三態の発展で,全てのものが三態変化する実験例を実習させていただきました。まず,加熱された水の様子をイメージで理解させる工夫です。絵に水と空気の分子に見立てたシール(粒)を貼ります。そして写真を撮ったら,粒を少しずらして動かし,また1枚撮る。これを繰り返します。撮った写真をGIFアニメにするサイト https://www.hivelocity.co.jp/blog/30357 で動くように加工します。すると,加熱に伴って緑の空気の粒を青の水の分子が追い出します。そして,水の分子(水蒸気)でフラスコの中が一杯になっていくイメージがはっきりとつかめました。

・水蒸気←→水:加熱しつつ湯気が出てきたら,フラスコの口に風船をかぶせます。すると,約1700倍に体積アップした水蒸気で風船が膨らんでいきます。これも,GIFアニメでイメージさせることができます。粒の概念は小学校では教えませんが,触れておくと,何かと便利です。

IMG_1191IMG_1193さらに加熱すると風船が大きく膨らみます。子ども達は破裂すると怖がりますが,ある程度膨らむとストップ(過去に風船が外れて飛んだことあり→口のところをモール等で要固定)します。加熱されて水蒸気になる状態と,周りの空気に冷やされて水に戻る状態が平衡状態になるからです。100円ショップの薄色の風船で実験すると,中の様子が透けて見えるのでgood(http://gorillabo.lolipop.jp/gorillabo/?m=201512)です。空気はすでに追い出されて中は水蒸気だけなので,フラスコを冷水につけると水に戻ります。体積が1/1700に戻ると言ってもイメージしにくいので,以下のように説明します。水蒸気の体積が100あったとすると,水に戻って5に減ってしまいました。空いた95の分だけ外から空気が入ってくるので,風船が中にで大きく膨らみます。この説明も,GIF動画を見せて子どもに考えさせると良いでしょう。風船の出入り←動画

IMG_1187・氷の体積変化:最も子ども達が理解しにくいのは,水は氷になると体積が増えることです。固体になって分子がほとんど振動しないのに,水だけは体積が増えるのは?? これもGIFアニメで説明すると「隙間ができてる!それでか!」と納得してくれます。

 

IMG_1195IMG_1197・ブタンの気化:4年の三態変化の実験は水だけですが,あらゆるものが三態変化します。鉄を熔かすわけにはいかないので,分りやすい例として,ブタン(ライターの補充用ボンベから採取)を使った実験を体験しました。ブタンの沸点は−1℃で体温よりずっと低いのです。そのため,指で触るだけで沸騰します。まず,ボンベの口をビニル袋をつっこんでブタンの液体を少し取ります。口を閉じて人差し指に一巻き。隅に溜まった液体ブタンを指でつまむと,ブクブクと沸騰する様子が目に見え,指先で感じられます。子どもの目が輝く瞬間です。袋も膨らんでくるので,ブタンが気化して体積が増えることも分かります。まさに,実感を伴う理解の典型です。ブタンの沸騰←動画

IMG_1203IMG_1205・水銀の固化:水銀は,常温で液体という金属の中の変わり者です。ビンごと手に持つと予想以上に重いので,大人でも驚きます。この水銀を冷却して固体にする実験です。ドライアイスに彫刻刀などで凹みを掘ります。そこに少量の水銀を注ぎ込みます。すると,フツフツと沸騰しているように見えます。しかし,これは,水銀が冷えて固体になる際に出る凝固熱によって,ドライアイスが昇華して二酸化炭素の泡が出るからでした。水銀が固体になったところで通電チェッカーをつなぐと,明かりがつきます(液体状態でも光る)。金属の特徴である導電性OK。液体状態で光沢はすでにあります。そこで,取り出して展延性を試します。ハンマーで叩くと伸びることが確認できました。水銀の固体動画

IMG_1210・極低温実験:燃料用アルコールに砕いたドライアイスを入れます。対照実験として,水にも入れて比較します。水の方はなかなか氷点下になりませんが,アルコールの方は−10℃,−30℃と,どんどん温度が降下します。−78℃まで下がるので,液体窒素より手軽に極低温の実験ができます。プチトマトも凍りつき,取り出してハンマーで叩くと,瀬戸物のように割れてしまいます。一方の水の方では,凍りつくことはありません。この現象の説明をあまりせず,プリントを渡して各自に考えさせます。説明できる子に説明させるのもいいですね。割れるトマト←動画

IMG_1208・ドライアイスの白煙の正体ウソ・ホント:ドライアイスをビーカーの水に入れると,白い煙がモクモクと出てきます。見た目には,これがドライアイスが昇華してできる二酸化炭素だと思われがちです。しかし,二酸化炭素は無色透明。この説明も難しい! 二酸化炭素の泡は,水中ですでに白いのです。これは,以下のように説明されています。ドライアイスの昇華温度は-78.5℃です。こんなに冷たいので,水中で昇華した二酸化炭素の泡によって周りの水が冷やされます。すると,凝固して氷になります。それが二酸化炭素の泡の中に砕け散って,とても小さな氷の粒になります。その泡が空気中で弾けて,大量の白い霧状のものが発生するという仕組みです。これまでの説明のように,空気中の水蒸気が冷やされて・・・だと,あんなに大量に出ないですよね。ドライアイスの白霧←動画

理解しがたいといえば,寒剤としての塩の働きも。これは,湯に氷を入れると湯が冷めます。これは,氷が融解するときに周りの熱を奪うからです。食塩も,溶ける時に周りの熱を奪います。このように説明してはいかがでしょう。

◆5年:ふりこのきまり

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実験誤差が生じやすい振り子の実験の工夫です。児童の計時誤差は別として,実験器による誤差をできるだけ抑えたい。ということで,中城先生に,角度の測定,糸の支点でのブレを防ぐ自作教材を紹介していただきました。糸の長さは,ボルトナットでリールのように糸を巻き解きして調整し,スタンドにネジで固定するだけです。支点は細いスリット(鋸引き)にしてあります。穴にすると,穴の幅だけ支点がブレるからです。錘でも誤差が生じがちです。振り子の長さは,糸の長さだけでなく錘の重心までの長さになります。フィルムケースに鉄球を1個,2個入れて重さの違いとします。これだと重心が変わるので,誤差が発生してしまいます。同じ錘を縦につないでも長くなるのでダメ! 横につなげるのが正しい方法です。振り子実験器の工夫←動画

◆6年:植物の道管

ファンタジーという染色液は使いやすい教材で,色が数種類あります。教科書では,赤から青に色が変わっています。これは,青は色弱の子でも認識しやすいからだそうです。チンゲンサイは色水を受け付けません。長ネギも,道管が枝分かれしてないので,染めても見栄えがよくありません。カリフラワーは白いので,道管の染まり具合が判りやすい材料です。2日で十分染まります。ブロッコリーも身近で使いやすい材料です。

◆6年:酸・アルカリ試験紙(ムラサキキャベツタイプ)

中城先生に,新しい酸・アルカリ試験紙を提供いただきました。試薬はムラサキキャベツの煮出し汁で,ろ紙に染み込ませて冷蔵庫で乾燥・保存させたものです。液体状態ではすぐに腐敗してしまうのですが,試験紙にすると長持ちして有用です。色変化もリトマス紙とは違い,液体試薬と同じくカラフルなのもすばらしいアイディアです。

◆6年:地震の実験(理科朝会)

IMG_1231IMG_1234中田さんが,理科朝会で扱った地震実験の数々を紹介してくださいました。免震:不安定な家具があります。地震で揺れないようにするためにオモリを入れますが,まだ不安定です。しかし,500gのオモリを鎖でぶら下げると,揺れがかなり軽減できます(吊り免震)。椅子で,キャスター付きと無しでは,どちらが揺れを強く感じるでしょう? キャスターが揺れを吸収するので,前者の揺れが少ないのです。

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某会社のHP http://www.kawashima.gr.jp/yurari/yougo.html に,
簡単な高層建築倒壊防止のための耐震・制振・免震の説明があります。吊り免震:2段式の運台を作ります。上から板を吊るすと,乗せたペットボトルが倒れないようになります。転がり免震:板に皿を四枚固定し,各々の中にボールを入れます。その上にまた板を乗せます。下の板も揺れているので,上にペットボトルを乗せても倒れません。制振:フットマッサージャーで下から揺らします。上のカップにソフトボールを入れると,その重さで振動が相殺され,振れがかなり抑えられます。制振モデル←動画

IMG_1244IMG_1249地震の際に机の下に入るメリット:2号の机を2台用意します。そこに家具(スチール掃除用具入れ等)を倒してみます。机はビクともしません。これを見せることで,訓練でも,頭隠しを真面目にやってくれることでしょう。免震シート:倒れやすいボーリングのピンの底に,免震シートを貼ります。それだけで,ずいぶん倒れにくくなるのも,見て納得です。

◆6年:地震と火山の学習をプレゼン

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中田さんは,子ども達にプレゼンを依頼しました。期待に応えて,1週間以上かけて仕上げたグループもあります。ペットボトルを切って逆さにします。中に土を入れてから水を流しこみます。自然の中で,水に土が流される事がよくわかるプレゼンでした。火山の噴火の説明に,30分以上かけたチームもあります。

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休みの日に弁当持ちで友達が集まり,資料を書き上げたチームも。ころがり免震を,皿とボールを使って説明したチームもありました。試行錯誤の成果が子ども達を輝かせます。任せることで,こんな子ども達が育っていく事がうれしいですね。

◆4年:ものの温まり方の学習をプレゼン

IMG_1260IMG_1261断熱を,自分たちで考えた方法でやってみたい。発泡スチロールの箱とプチプチシートが材料です。2日経つと常温に戻り,氷は3日経つと水に戻ることがわかりました。意外と知らない魔法瓶や二重窓の断熱効果にも関心が広がります。2層の間に空気層があると断熱できます。カップ麺のカップが熱くならないのは,発泡スチロールが大量の空気を含んでいるからです。http://www.ishiyamapack.co.jp/polystyrene/ 熱伝導率が高いため,容器に熱湯を入れると熱くて触れない金属と,紙や発泡スチロールを比較して考えます。

◆公開授業:新単元,5年「食品の保存」

IMG_1262IMG_1263中田さんは年に一度,授業を公開されます。今年は5年の新単元「食品の保存』です。事前の意識調査で,なぜ食品を長持ちさせられるかと問います。ビスコの缶入りは3〜4年,箱入りは9ヶ月もちます。これはなぜだろう? 缶の中に,子ども達が考えたものが入っているでしょうか。シリカゲル? 密閉して酸素をシャットアウト? 砂糖漬け,塩漬け,蜂蜜漬け,天日干し,サツマイモを布団乾燥機で連続運転強制乾燥などなど。実験素材には事欠きません。自分で考え,計画して実験し,自分の目で確かめることができました。

IMG_1264IMG_1265この単元を通して,なぜ,こうまでして食品を保存してきたのかに迫ります。そして,私たちはいかに食べ物を無駄にしているか。世界的問題になっている食品ロスが,日本はとても大きいことを知ります。自分は給食を残してないだろうか。食べ物に興味をもち,大切にしようとする態度を育てたいものです。

◆6年:電気の利用 蓄電プラレール←動画

IMG_1267IMG_1269大人にとっては簡単な手回し発電機の扱い方ですが,初めて触る子ども達は,左手は固定して右手だけ回すということすらできません。奈良教大での学習会で紹介された改造プラレール実験です。コンデンサーに手回し発電機で蓄電してから電車にセットすると,クルクルとよく走ります。何周回れるでしょう。6年生でも「頑張れ」とエールを送ります。手回し発電機を回す手ごたえと何周回ったかで,発電と蓄電を体感できたらと考えて開発された実験です。

IMG_1271IMG_1272IH調理器の活用←動画:中田さんは,理振でIH調理器を購入されました。10℃刻みで加熱できます。100℃に設定すると,誤差がプラマイ4℃強。実験としては・・・1つが1000wで ,9班同時に実験するとブレーカーが落ちてしまうのも難点です。ただ,学校にしか無い電熱器より,このような新しいものを紹介するのも教師の役目です。載せたホーローナベがなぜ温められるのでしょう。それを説明するために,豆電球6.3V付きコイルを,IH調理器の上においた空き缶にくぐらせたり出したりして見せます。豆電球が光ることで,誘導電流が発生していることが分かります。ここで,6.3Vが光らせるなら1.5Vで回るモーターも回るだろうと考えた中田さん。しかし,回らない。なぜ? ダイオードをかまして整流することで,誘導電流を直流にして回すことができるようになったそうです。

IMG_1278・ACアダプターの活用:余り物のACアダプター(5V2A 等)があれば,電源として活用できます。乾電池のように電圧が下がらないのが利点です。LEDを光らせるのにも便利です。

 

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・紙コップスピーカー←動画:紙コップスピーカーでは大きな音が出せません。途中にアンプを入れて音量アップしましょう。子ども達は,構造はもとよりスピーカー自体を知りません。それで,ものが震えて音が出ることを理解させるところから始めます。音を出しているコーンに触らせると,声をあげて驚きます。紙皿でも自作できます。紙皿1枚タイプとと2枚タイプ。紙が丈夫すぎて振動しにくいので,くり抜いてトレーシングペーパーを貼るという工夫を加えました。磁石は,百均ネオジム磁石2つを表裏に 紙皿2枚の方が,近づけたり離したり,コイルと磁石を前後させたりと,子どもの試行の自由度が高くなるのでgoodです。

第18回 ゴリラボ・大塩理科研究会 2016/11/26

★例会報告

巻雲がきれいで気持ちの良い,小春日和の土曜日です。残念ながら学校行事等で参加でいない方もあるうえ,メール連絡を失念していたので集まりがどうなるか心配していました。

★Science Instruction

◆朝採り塩茹で落花生(根粒菌)

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2年ぶりに,柳田さんの採れたて落花生を食べさせてもらいました。まだほんのり温かいうちにいただけたので,味が格別でした。旬で新鮮な食材を味わえるのは,とても幸せなことだと感じました。また,根に無数の粒々がくっついていました。根粒菌の住処の根粒がたくさん付いているので,おいしい落花生が育ったんですね。

レーザー距離計動画 & 放射温度計

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大江さんがまず紹介されたのは,デジタル距離計です。皆んなが驚いたのは,距離だけでなく,面積や体積,さらには高さまでも瞬時に測定してしまう機能の充実です。実演されるたびに,感嘆の声が溢れました。また,備品で買うと高い放射温度計が,比較的安価で性能の良いものが手に入ります。特にオジさん達は,子どものように目を輝かせて聞き入っていました。どちらもネット購入がお得です。

Dagik Earth(ダジック・アース)用の巨大風船

img_0641img_0642配布していただいたダジック・アース用のビニル風船(右)は60cmです。やや小さめなので,ネットで紹介されていた比較的安価で120cmに膨らむ風船(左)を購入してみました。膨らませるのが大変なので,ブロアーを使います。100円ショップの大きなハサミでぶら下げました。何度も繰り返し使えないかもしれませんが,丸みも文句なしです。

◆お土産

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・モーターの原理説明器:5年の電磁石学習後に発展的に学ぶモーターですが,児童にとっては,まさにブラックボックス。そこで,野呂さんの開発をアレンジしてモーターを分解・組み直し,仕組みを見える化しました。100円ショップの扇風機は部品がオールインワン(福井さんのアイディア)ですし,かっこよく仕上がったと思います。http://www.jss.or.jp/fukyu/kagaku/data/806.html

img_0650・折れない&痛くないプロペラ:上記の扇風機の部品のプロペラは,十分な風量があり回転していることもよくわかります。左のプラスチックタイプは,ちょっと当たっただけで痛いし壊れてしまいます。たくさん不要な部品として出てきたら,こうして使いましょう。

 

★Science Construction

◆身近なつる性の豆図鑑

cimg0574cimg0575要さんは,実が弾けてしまわないように冷蔵庫で保存するなど,周到な準備をされていました。そのお陰で,一人一人が豆図鑑を作ることができました。大豆の原種のツルマメ,おしるこができるヤブツルアズキ,雛人形の目などの工作に使われたトキリマメなど,なるほどと唸らされるラインナップでした。乾燥と雨の状態で,実つき方が大きく違うそうです。気候によっては,全く採れない場合もあるとか。自然の種は,次々に実が弾けて種子を撒き散らします。しかし,野菜として栽培する際に大事なことは,一気に収穫できることです。それを一番に品種改良がなされているそうです。

◆電気ぶちゴマ

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ぶちゴマは,コマの回転が落ちてきたら,棒に結んだ細布で側面をぶって加速を与えるタイプのコマです。電気ぶちゴマは,100円ショップのネオジム磁石と座金,袋ナットで組み立てます。回転ステージと回路は,アルミ缶とアルミホイル,電池と導線で組み立てます。回転が落ちてきたら,導線の端を磁石の側面に当てがいます。導通し「フレミングの左手の法則」によって生まれる力で加速させることができます。皆さん,比較的簡単に組み立てられました。http://www.jss.or.jp/fukyu/kagaku/data/807.html

★Presentation&Experiences

◆3年:光の実験の危険な一面

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鏡で光を反射させて集める実験で,体感的理解をさせようとしました。3枚VS20枚。日陰のコンクリート面に光を集めてみると,後者は眩しいぐらいに明るくなります。さらにその光を左右の掌に受けてみると,後者は熱いくらい(60℃)になっています。問題は集光した部分の高さでした。高めにしてしまったとき,一人の児童がしゃがんで覗き込んだのです。眼科で診察してもらう羽目になりました。しゃがんでも覗き込めない高さにする必要を痛感しました。

◆4年:ガスバーナーの空気ネジ動画

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小学校ではガスバーナーの使い方を学び実習するだけです。中田さんと浅野さんのアイディアで,2つのネジに色を塗りました。大人にとっては当たり前でも,児童は初見・初体験なのです。下のガスネジを赤,上の空気ネジを青で塗り分けます。各々の炎の色に合わせました。「し〜たの赤ネジガスのネジ,う〜えの青ネジ空気ネジ」という覚え歌も。また,実習後に試験管をカットしたパイプで空気を入れると炎が青くなる仕組みを見える化すると,その役割を納得できた児童が多くなったようです。

◆5年:ふりこのきまり

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グループでの検証実験ではなく,一人1実験とします。そうすることで,自分で感覚的に,ふりこのきまり(糸の長さと周期との関係)を発見させるのです。また,味気ない実験器具に工夫を加えて,子どもたちに楽しいイメージをもたせるのはいかがでしょう。一人に1つ 目が動く ←動画

◆6年:大地の変化(造山活動,地震)

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小学校でも,大地が動くこと(プレートテクトニクス)をもう少し詳しく教えると,造山活動や地震などについての理解が深まります。内山先生が読み込まれたのは「変動する日本列島」(藤田かずお著 岩波新書)です。

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太平洋プレートがハワイの辺りで盛り上がって日本付近で沈みこみます。(ハワイのサンゴが証拠)そのため,地震が度々起こっています。図示されている沈み込みと限界を超えた時の跳ね上がりを,高価な備品がなくても,厚紙2枚を組み合わせた簡単な教具でモデル実験できました。

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六甲山の頂上には牧場があって,観光客が出すゴミで臭い→931mと覚えます。奥池は,岩がごろごろ岳→565m,甲山は魅惑の山→309m。さて,Ma1(エムエーイチ)には100万年前の 火山灰層があります。その同じ層が奥池,甲山,海遊館地下500mにも存在しています。このことから,六甲山は火山活動でできた山ではないことが分かります。昔,辺り一帯は海底で平坦でした。それが約1000mも盛り上がったのです。プレートの圧力で年に1mm ずつ。200年に1回の大地震があれば,1回で20cm盛り上がります。また,そのプレートの動きに押されて,近畿地方にはシワが寄り(隆起と沈降),六甲山地だけではなく,大阪湾や生駒山地などができました。これは,プリントを交互に織り込むことで確認させることができます。

cimg0561cimg0562陸地(山)は削られる所,海・湖は埋まる(たまる)ところと教えます。川が海に流れ込んで層が積み重なります。ボーリングしてみて,地層から礫が出てきたら,その場所は,元は河口付近だったことがわかります。粘土なら軽くて遠くまで運ばれるので,少し沖だった所だとわかります。

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阪神大水害や阪神淡路大震災も,地域教材として活用します。また,2万年前に篠山盆地内の川床が隆起し,河川の水で侵食されたので篠山層群が姿を現しました。こうして地下深くに眠っていた丹波竜の化石発見に繋がったのだという経緯を紹介すれば,子どもたちも納得することでしょう。

◆6年:月と太陽

%e6%9c%88%e3%83%a2%e3%83%87%e3%83%abimg_0646安価なCCDカメラを三脚にセットし,100円ショップの回転台に固定します。これを地球カメラとします。太陽からの平行光線として,月(発泡スチロール球)をライトで片側から照らします。地球の周りを月が回転するよう移動させ,逐一,地球カメラを回転させてプロジェクターで月齢変化をスクリーンに映し出します。こうして,地球から見た月が刻々と形を変えるように見えることを再現して見せます。カメラさえあれば,高価な備品に負けない疑似体験をさせることができます。

 

 

 

第17回 ゴリラボ・大塩理科研究会 2016/09/10

★例会報告

お久しぶりにお会いできた方や初参加の方,常連の方々と,今回も3時間があっという間の例会でした。近大姫路大学の理科室環境などハード面の充実は,どこの大学にもある環境ではないと,改めて有り難みがわかる会でもありました。

★Science Instruction

◆電流計の工夫

cimg0372新しい電流計には目もりを読み間違わないよう,端子とメーターの数値に色分けをする工夫がなされています。でも,それだけのために買い直すのもなあ〜 ここで中田さんの工夫です。電流計の端子と目もりに油性マジックで色をつけました。備品は1万円以上,これならただでバージョンア〜ップ!

 

◆桜の毛虫

img_9732桜の木に毛虫が大量発生! 何者かと調べてみるとモンクロシャチホコ。この毛虫に3度ビックリ。その1:ふっさふさの毛で覆われていますが,刺さない&毒なし。勇気を出して手に取ってみると本当に平気でした。その2:ほんのり桜の香り(桜餅のにおい)がする。しかも糞まで。この香りの正体クマリンは,鳥たちには嫌われるそうです。その3:昆虫食研究家によると,美味しい昆虫のベスト5にランクイン。茹でたり炒ったりすると濃厚な味わいだそうです。あなたもいかが?

◆おススメおもちゃ

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・的中ニャンコ:20の扉のおもちゃ版。1000円を切るのにAI搭載だそうで,ニャンコの質問に答えていくと,頭に思い浮かべた生き物(限定350種)をずばり言い当てる優れもの。答え方を間違うと正解できず,回答を放棄してしまうのも面白い! ・ハラハラ迷路:使い捨てカメラ改造の電撃ヒヤヒヤ棒が危険だと指摘されたので,回路を教えるのに使おうと購入。私はゴールまで7回ほどドッカーン,ピロリロと音を鳴らしてしまいますが,子ども達の中には0回クリアーできる子も。

img_9733img_9824・星の立体地図(カシオペヤ座):おもちゃではありませんが,先のはくちょう座に続いてリリースされました。次のオリオン座が楽しみです。 ・グレープボール:以前に肺胞のモデルとして表面積がアップする様子をイメージさせるために再度購入。数あると,子どもに破られても大目に見ることができますね。

◆お土産

img_9803img_9820・ジャンピングスマイル:ミラクルロケットの進化版です。・フライングシードモデル:洗濯バサミを改造した発射器。仮説フェスティバルで入手したものです。

 

★Science Construction

◆3年:ゴムで飛ばす動画

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ペーパークラフト(スペースシャトル,コンコルド,スペースシップワン等)←吉田英一氏の「紙飛行機研究所」http://www.venus.sannet.ne.jp/eyoshida/l.htm                 からDL。印刷する紙はケント紙(180k)。おもりのゴム(両面テープどめ)は先を1mm出してクッションに。発射台は100円ショップのスチレンボード。左右のサイドに2箇所ずつ切れ込みいれて,輪ゴム#18を引っ掛ける。翼の後ろをほんの少し上に曲げる。飛ばして曲がる方の翼を少し下げて調整すると,まっすぐ飛ぶようになります。この調整も子どもにつかませたい!

◆4年:腕の曲げ伸ばし筋肉モデル http://www.jss.or.jp/fukyu/kagaku/data/800.html

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ミラクルロケットの特性を生かして,筋肉の縮む・緩むを実感できるモデルを開発しました。下の上腕三頭筋は固定していますが,上の上腕二頭筋は取り外し可能で「力が入って縮む・力が抜けて緩む」を体感できます。工作にはコツと手間がかかりますが,班の数は揃えたいものです。

 

★Presentation&Experiences

◆3年:子どもを昆虫好きに

cimg0321cimg0309大江さんは,異動先で昆虫好きをアピールされました。すると,子どもや職員が,いろんな昆虫を持ち込んでくれました。先生が好き・かわいいと触ったりして見せると,子どもは感化されます。そして,蛾の幼虫でもかわいいと,手に取ったり顔にとめたりまでもするようになります。すごすぎ!

cimg0312cimg03113年の理科に入って授業されています。ツマグロヒョウモンはタテハチョウ科なので,6本あるはずの足が4本しか見えません。前の2本はよく見るとあるにはありますが,使われていません。羽化後の蛹便が真っ赤なのも子どもはビックリ!

cimg0313cimg0315セスジスズメが持ち込まれたので,右のように展示しました。羽化したあとの殻も。こうした取り組みで,チョウは好きだけどガは嫌いという子どもはなくなりそうですね。

cimg0316cimg0317アサギマダラが偶然学校に舞い込んできました。チョウはもちろん大江さんのもとに。長距離を移動するチョウとして知られており,大江さんも「9/1 アカシ オオエ 」とマーキングして放されました。アサギネット:http://www2h.biglobe.ne.jp/pen/asaginet000.htm

オオスカシバは,羽化して飛び立つ前に鱗粉を落として「透かし羽」になります。その瞬間を子どもに見せるのが大江さんの課題です。

img_9850お勧め本は「昆虫はすごい」:丸山宗利。ゴキブリは,嫌われる昆虫の最たるもの。でも,今の日本では,病原菌を媒介する点についてはほとんど問題になりません。なのに過剰に嫌われるのは,親が嫌う様子を見て,子どもが幼少期から刷り込まれるからだとか。「昆虫はもっとすごい」はもっと面白い!

◆3年:空気の存在を体感

img_9801ずいぶん前のネタですが,空気の存在を実感させることができます。下部をカットした1.5L〜2Lのペットボトルにゴム手袋(100円ショップ)の片手をはめ込むだけ。手袋の中に手を入れようとしてもなぜか入れることができない。フタを開けてやってみるとすっぽり。そこにある見えない空気がジャマしているとわかるかな?画像のように手袋を立てておくと,子どもの手は小さいので,すっぽり入ってしまいます。クシャッとした状態でトライさせるのがコツです。

◆5・6年:テスト前のペアトーク

img_9841img_9842山崎さんのペアトーク実践です。市販テストには,必ず理由を書く(文章表現)部分があります。これが苦手で,覚えていてもなかなか書けません。それを解消すべく,ペアトーク集を開発されました。左に質問,右に答えを印刷してあります。単元後のテスト前に,2人で問題を出し合います。教師が質問した場合,大多数は手も上げずに・・考えてるかい? ところがペアにすると,必ず応えねばなりません。復習が確実にできるのです。例えば「地層が流れる水のはたらきによってできた理由は?」←テストで答えさせたい部分です。教師は往々にして知識入力(インプット)には力を入れるものです。しかし,アウトプットに時間を割かないのでテストで答えにくいのだと山崎さんは分析されました。夏休みの小中連携研修で出会った中学校の先生も,授業後毎回5問テストを実施されていたそうです。いずれも,繰り返すことで力をつけさせる実践です。

◆5年:台風と天気

cimg0328台風の写真を見せて,この渦は何かと問います。しかし,反応がありません。台風の渦をみて台風とわかるのは大人目線。子ども目線ではなかったか・・・台風にしか見えんやろというのは大人のエゴなんですね。子どもはイメージがつかめていないので,台風の雲だと分からないというのが実情なのです。そんなレディネスなのに,台風とは雲が取り巻いていて反時計回りに回っているものだと話しても,絶対にイメージングできていません。しかし,教師は反応を気にもかけず授業を進めてしまいがちではないでしょうか。素朴概念がないのに,知ってるやろ,見たことあるやろで授業に入ってもだめですよね。イメージがないのは,何とかする必要があると,中田さんの授業改善が始まります。

cimg0329新聞の購読率は4割切っている現状では,学習面のレディネスに違いがあるようです。月齢変化を新聞の切り抜きでパラパラ変化はもう無理なのです。かといって,教師が準備して与えたのでは教育効果は半減。切り抜いて持ってくることに意義があったからです。

 

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それでも画像はたくさん見せたい!例えばアメダス。中田さんが実物を見に行ってみると,予想と違っていたそうです。教師でもです。子どもなら,なおさらイメージングできないでしょう。また,百葉箱があるのは学校だけです。その中の最高・最低温度計にいたっては,振ったり戻したりする操作までさせる必要もないでしょう。そこでデジタルを導入。乾湿計は,説明して理解させるのも大変です。これもデジタルに変えていきしょう。観天望気やネットの画像をどう取り入れていくかも課題ですが,もっとスモールステップで進めていきたいものです。

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イメージをしっかりつかませるため,以前に中田さんが紹介されたダジックアース。白い球体に投影するのがポイントです。中田さんはその投影面を,廃棄シーリングライトのカバーで自作されました。メリットは出し入れがしやすい点です。ビニールボールは膨らませるのが案外大変なんです。その他にも,一人1実験のペットボトルに線香の煙少々,ぬるま湯100mlを入れて雲発生準備雲作り動画。ギュッと押しておいて急に放すと圧力が一気に解放されて露点が下がり,水蒸気が小さな小さな水の粒になり,内部が白く曇ります。子ども達は「お〜ほんまや〜 」と笑顔で納得!?

cimg0336真空調理器動画で風船を膨らませたり元に戻したりして見せます。しかし,容器の中の空気が押す力が弱くなるから,風船の中から押す力が相対的に大きくなって膨らむという関係を理解できる子どもは多くありません。そこを何とか乗り越えさせて,空気は常に周りのものを押していて,それが高いのが高気圧,低いのが低気圧。それが台風になることもあると話をつなげていきます。

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台風が接近してくる様子についても,テレビなどで見てない子どもはイメージできません。ならばアナログでと,駒に綿をつけて台風に見立てました。クルクル回転させたままで,下から磁石でコントロールして,南→北への動きを見せられないかと試行錯誤中です。

cimg0353cimg0334地学領域はスケール大きいため,自分の生活とどう関わっているかつかめていません。とにかく毎日続け,何度でも問うことだと中田さんは言われます。例えば「みんなで続けよう気象観測2016」1日4回,天気・気温だけでなく8項目&気づいたことを協力して記録させます。また,プールのシャワーで大雨体験をさせました。バケツをひっくり返したような雨とはこういうもの!こうでもしないと,なかなか実感してくれません。これは,豪雨・暴風を体験できないかなと問いかけて子どもから出たアイディアです。このようにイメージと体験をリンクさせる,スト〜リーを作らせプレゼンさせるなど,手を変え品を変え,何かつかんだか興味をもったかと,常に子どもの実際に寄り添った実践を重ねておられます。

台風の渦発生装置動画

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台風の渦を見せたいと思い立った中田さん。スモークマシンと2Lビーカー(雲),アクリルパイプ(高価),ロフトの送風機(上昇気の流れ)曲パイプを反時計回りになるように配置(渦巻き)スイッチを入れると,見事に台風の渦巻きが立ち上がりました。子ども達が「お〜〜!」「台風のイメージができました。」「時計と反対回りの意味がよくわかりました。(反が半ではなくなった)」

◆5年:迷走台風10号の謎動画

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迷走した台風10号のナゾ。 実は,偏西風が大きく蛇行していたため,それに乗って,観測史上初めての東北地方上陸となっただけでした。気まぐれで怖るべき偏西風! その流れ・動きを見ることができるのがWindyty。台風の風力や渦の様子,上空の偏西風の様子など,少し過去に遡っても見ることができます。Windows,Mac 両刀使いのソフトです。https://www.windyty.com/?2016-08-29-15,35.702,138.933,6

◆6年:光合成のマイクロスケール実験

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マイクロスケール実験といえば内山先生ですが,光合成実験用にもキットを開発されました。容器となるディスポセルは,モノタロウで100個1170円。2本で対照実験します。まず,両方に息をたくさん吹き込んだBTB液を入れておきます。今回は,黄色くなりきれていない状態でスタート。片方にオオカナダモをちぎって入れ,直射日光下に1時間ほど静置しました。すると,光合成で二酸化炭素が消費され,色が明らかに変化(右)しました。ディスポセルは透明で壊れにくく,台とセットにすると倒れません。個人のマイクロスケール実験のキットとして最適です。

 

 

第16回 ゴリラボ・大塩理科研究会 2016/07/09

★例会報告

今回も,新設された近大姫路大学の新2号棟309の理科室を使わせてもらって例会を開きました。ただ,1学期の成績付けの時期に重なり,またまた参加できない方があって残念でした。それでも参加された皆さんは,情報・体験満載の楽しく充実した時間を過ごすことができたと思います。

★Science Instruction

◆柳田さんのドライ・タンポポ綿毛ボトル

IMG_9486第7回例会で紹介された,柳田さんの改良ドライ・タンポポ綿毛ボトル。先細りの瓶の中に,どうやってタンポポの綿毛を入れたの? 見つけた人は,足を止めて見入ります。今日は,ジャンケンで4人にプレゼントしていただけました。次回にも用意してくださるとか。実に美しくて不思議を感じさせるオブジェです。ぜひ,例会に参加してゲットしましょう。

◆フィンガーリング・パズル

IMG_9556北野貴久さんに教わったパズルです。ボタンホールパズルのアレンジですが,もつれても簡単にやり直せるし,ボタン穴を必要としないのでお手軽です。普通の攻め方ではムリ。「ムリといった時点で本当にムリになる。ちょっとした困難で諦めるようになってしまう。簡単に諦めない,これが解けるような人になってほしいなあ」と生徒さんに提供されるそうです。

◆星の立体地図 (子ノ星教育社 http://www.nenohoshi.info )

IMG_9491IMG_9490子ノ星教育社の坂元誠さん作の星の立体地図。真上から見ると,ビーズが星座を形作って見えます。しかし,実際の星々の地球からの距離は様々です。サイドに回り込むことができれば,その姿はガラッと変わります。宇宙の広がりを感じ取らせたいとの願いから開発された製品です。はくちょう座とカシオペヤ座がリリースされています。次のオリオン座が待ち遠しい!

◆中田さんの理科朝会

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今回のテーマは「液体窒素」まずは窒素なので火を消すところから。そして,カーネーションを凍らせて粉々に。凍ったバナナで釘を打つ。凍らせたマシュマロを口に含めば,ゴジラ?のように口から鼻から白い煙?が噴出! 凍らせたゴムボールを児童がバットでカキーン→粉々! 長風船を容器の液体窒素に入れていくと,ドンドン縮んでいきます。外に出すと,液化した空気が元に戻って伸びていきます。塩ビパイプやガラスパイプを液体窒素に差し込むと,管の先から白い煙が噴き出します。ハラハラ・ドキドキの連続で,子どもたちは喜んだでしょうね。

◆土に自力で潜り込む,カラスムギの種子 ←動画

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カラスムギの種子は,自らグリグリと地面に潜り込むことができる,不思議で巧妙な仕組みをもっています。種子から長い芒(のぎ)が伸びています。この芒には細かいトゲのようなものが生えており,しかも,途中で折れ曲がっています。虫眼鏡で見ると,乾燥した状態では,根元部分が繊維状にねじれています。水を含むと,これがほどけて芒を回転させ,種子を土にねじ込むドリルのような役割を果たします。ダンボール箱に入れておいた一部が空気中の水蒸気で動き出し,箱の隅に潜り込んでいました。返しのような毛が生えているので,引っ張っても抜けません! 高田要さんが下準備(ドライヤーで乾燥)しておられた種子で,ドリル体験をさせてもらいました。のたうつような動きが面白い! 子どもも喜ぶでしょうね。

◆レアものなのに100円ショップで!?

CIMG0144 (1)ダイソーの品揃えの多様さには驚かされますが,こんなものまで扱っているとは。商品化してるのですから,とんでもなく大量にヒトデや貝を確保してるんでしょうね。どこで?どうやって?

 

 

★Science Construction

水引DNAストラップ 動画

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松田光一さんから伝え聞いた,水引で作るDNAストラップ。高田要さんが準備された,ダイソーのカラフルな水引で,作り方を教わりました。単調な編む作業をするだけで,DNAのようならせん状の形ができあがっていきます。結ぶときのゆるさ・きつさで幅が変わります。同じ強さで編むことが肝心です。各自,好みの色の組み合わせで,きれいなストラップに仕上げることができました。

★Presentation&Experiences

◆4年:春の生き物(ツバメ)

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ツバメは季節を感じさせる渡り鳥です。しかし,都会では,ツバメを見つけるのが難しい地域があるそうです。尼崎の中田さんの校区では,田んぼが1つしかありません。これでは雛を育てられませんね。本当に尼崎にはいないのか!? 子ども達とできるだけ情報を集めましたが・・・ 去年より今年の方が少しは増えたようです。ただでさえ少ないのに,カラスに襲われた巣が見つかりました。キラキラのCDをぶら下げても効果なしだったようです。

◆4年:太陽エネルギー 色による水温上昇の違い 動画

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太陽の力(エネルギー)に目を向けさせたい。ペットボトルで水の温まり方の違い実験をしました。黒と白(塗装)・透明・アルミホイル巻き。5月末で5℃も違いが出たそうです。ソーラークッカーでフライパン調理。30分以上かかりましたが,目玉焼きができて,子ども達は興味津々。 大きなソーラーパネルで発電させたり, ドラえもんのポケットの光電池に皆んなで光を当てて発電。どちらも子どもがワクワクする教具ですね。隣接の幼稚園の屋上の太陽光パネルについてインタビューしました。プレゼンの力が少しでもつけばと,まとめて学年で発表会を開きました。発電の情報だけでなく,橙をもらってリモネン実験もできました。

◆4年:夏の生き物

CIMG0091CIMG0095かつては夏休みの課題として,昆虫標本と共にメジャーだった押し花標本。今では,わずか1〜2名/459名。標本をラミネートにしました。ちょっと手を加えるだけで,子どもは興味津々。茎が少々太くても強引にラミネートしてしまいます。細かいことは気にしない!

◆4年:夏の夜空

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天体学習は4・6年で扱いますが,5年ではありません。だから,少し高度な話も交えます。1等星は全天で21個あることも。北極星は教えるべき! プリントに書き込ませてから観察させます。OHPシートはアナログですが,子どもの感覚にあっていると,中田さんは感じられるそうです。星の並びに,さそり座の絵を重ねられるよう,1人1枚与えました。

◆4年:閉じ込めた空気の性質

CIMG0057CIMG0022シリンダーに小穴を開けておきます。その穴を,指先で閉じたり開いたりしてマジック?「心を込めると玉がよく飛ぶけど,気を抜くと飛ばないよ」

CIMG0027空気は目に見えないだけに,イメージで粒子概念を押さえます。隙間が多いから,広がっているから縮みやすい! 備品で買うと高価な演示用大型シリンダーですが,内山先生は,ヤフーオークションで何と2500円で購入!大きいので,風船を小さくしたり大きくしたりが見やすい。

 

CIMG0040CIMG0044閉じ込めた空気は,押し返す力があるのかな? 空気ポンプカーミニ空気ロケット動画 で遊ぶ中で体感させます。大人でも楽しい〜

 

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空気に圧力はあるのかな? ペットボトルの側面に直径1cm程の穴を開け,その穴から水を入れます。さて,立てたら水はこぼれるかな? 少し出るけどこぼれない!   もう1つ。フタつきアルミ缶に,熱湯を少量入れて蓋をします。フタをゆるめてシュッと空気を逃がし,即フタを固くねじます。しばらくすると,音を立ててアルミ缶が潰れます。空気の圧力がわかる実験です。

CIMG0133CIMG0117中田さんの奥様が買っておかれた「吸いまっせ動画 これも空気の圧力が感じられるグッズです。持ち手に吸排気弁が付いている優れもの。先の素材(エラストマー)がポイントで,ペットボトルの口に突っ込むだけでシュパシュパ,ベコベコ! ネットで870円 即買い!?

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浮沈子 動画です。材料は,醤油差し金魚とねじ釘+クリップで重さ調整。クリップ3個でちょうどいいバランスに。子どもには試行錯誤させましょう。10×10×10=1000㎤⇒1000g 物体が水に入ってくると,水がのいてくれるかどうか。1000g分の力が押し返してくるわけで,それより重い物だと沈むし,軽い物だと上向きの力に負けて浮いてしまいます。そういう微妙な力関係を,クリップの数で調節します。浮力の実験ですが,液状化も一緒。米粒の中にピンポン玉を埋めておいて振動を与えると,重い米を押しのけて軽い玉が浮いてきますね。

◆4年:温められた空気

CIMG0058CIMG0063温まった空気はどうなるのか。ドライヤーで温めると,フラスコ内の空気の密度が小さくなり,しぼんでいたゴム風船が膨らんで立ち上がります。子どもが喜びそうです。

CIMG0066凝縮すると空気の密度が小さくなって重くなり,温まると膨らんで軽くなります。温められて軽くなった空気の塊は,上に上がっていきます。それを体験できる上昇気流風車動画 100円ショップの消しゴムに木綿針(子どもの安全を考えると爪楊枝?)を尖った方を上にして刺します。風車を切り取って羽を折り曲げ,中心を針先に載せます。画像のように両手で風車を温めるようにすると,上昇気流ができて風車が回転します。バランスを取るのが難しいのですが,見えない上昇気流を感じられました。

◆5年:植物の発芽

CIMG0099CIMG0140発芽の3条件の整理は難しいですよね。条件制御が5年のポイントですが,あまりこだわらずに授業を進めても,成績的に変わりはなかったそうです。それならば,逸脱した手立てで記憶に残る授業にしたい。まずは,中田さん定番のもやし作り。牛乳パック(よく洗って)に緑豆(ネット入り)を入れ,水でじゃぶじゃぶ。1日に2回,水洗い・水切りしながら,床下収納庫に入れて1週間。育ったもやしを持ち帰らせて試食。保護者のアンケートでは,3割今一,3割まーまー,3割美味しかった。水切りネット(水色)が重宝だそうです。ペットボトルでもできますが,遮光するのが大変だったとか。

CIMG0087中田さんは,理科室前にミニ花壇を作っておられます。植物に興味をもたない子ども達の関心を引く手立ての一つです。ホテイアオイの花が咲きました。別名ウォーターヒヤシンス・スイギョク。水中にはひげ状の根をごっそり生やしているので,メダカの産卵床として利用できます。海外で活躍している一郎さんのコーナーもあったりします。

CIMG0100地域の方に無農薬の苗をいただきました。一人1バケツ稲を育てます。稲はすくすく育ちますが,今はまだ子どもの関心は低いかもしれません。穂が実ってくると,スズメにやられないようにとか,いろいろ気遣いを始めます。無事に収穫できて,美味しいご飯を口にできると認識が変わるでしょうね。

CIMG0101挿し木にも挑戦中です。アイビー,紫陽花,ローズマリーなどから選ばせ,用土もバーミキュライト,赤玉,水苔から選ばせます。土に挿しただけでは簡単に発根しません。今は6割が残っているそうです。葉が大きいと蒸散が多くて水やりが追いつきません。そこで,葉を半分に切って蒸散を抑えています。

その他にも,杏ジュースを作っています。実はこれまでカラスの餌でした。もったいないし,子どもに興味をもってもらえたらと教材化されました。6瓶作っていくつ成功するか。クエン酸があるため腐敗が進まないので,成功しそうです。子ども達はもちろん興味津々,味見を楽しみにしています。

サボテンの花が咲くのはめずらしいことなので,校内放送で紹介しました。また,ヤツデと名が付いていますが,掌状分裂葉は,実は9つが多いそうです。

CIMG0149CIMG0150中田さんは,種子の学習用にリストを作っておられます。実に多岐にわたって面白そうです。鳩の餌には,いったい何種類の種子が入っていることでしょう。市販の種子の発芽率は意外に低くて60〜70%しかありません。給食で出た夏みかんの種子を直播してもう3年目。アゲハの幼虫の餌に活用しています。

いろんなことをあれもこれもとやっていると,それぞれタイムリーに観察させたいので,つねに声かけをしないといけません。前出のツバメの写真を依頼すると,親が旅行で撮ってきてくれました。親がアシストしてくれるということは,親子で生態に興味を持ちつつある証拠です。中田さんが子どもに播いた多くの種の芽が出てきています。大きく育つのが楽しみですね。

◆5年:プランクトン

CIMG0136どんどん来てますね〜ミドリムシ。青汁のような粉末タイプもあります。「野菜・肉・魚の持つ栄養素もバランスよく効率よく!」ネットで購入できます。左の商品は,西日本では「飲むミドリムシ」東日本では「飲むユーグレナ」として,スーパーやコンビニでも購入できるようになっています。259円。名前の違いが気になる〜

◆5年:雲と天気

CIMG0070暖かい空気の塊は上昇気流を生み出します。これが西から東にやってくるとき,北の国シベリアの空気は普通は冷たくて,南の国小笠原の空気は暖かい。それらが押し合ってノックアウトして持ち上げたり,上滑りで乗っかったりします。空気が上空に移動すると冷やされて(露点)水蒸気が雨になって落ちてきます。せり上げるタイプは積雲を作ります。幅が狭くて高く発達するので,短時間に激しい雨が降ります。乗っかる方は層になって広がって乱層雲を作ります。幅があるので,広い範囲にジトジトと長い間雨が降ります。

IMG_965710種雲形を覚えさせることも大事ですが,羅列的に教えるのではなく,先兵のすじ雲,続くひつじ雲など,順番にそって教えると,天気の変化(観天望気)とも関連付けて理解させることができます。

 

◆6年:燃焼

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6年の燃焼で,乾留実験がなくなりました。そこで,炭の効用 を学ばせたいと,児童に実験を選ばせ,方法も考えさせました。

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汚れた水を浄化できる?では,6回も浄化を繰り返すほどの意欲を見せました。他にも,炭でたくあんの臭いが取れる? では「匂い嗅ぎたい!」と大人気。土に混ぜると植物の成長が良い? 枕に炭を入れておくと冷却効果がある? 放射温度計で測ると2℃も違うので快眠できそうです。炭入り油で天ぷらを揚げるとカラッと揚がる? 天かすだけだと,明らかにカラッとなったそうです。ご飯が美味しく炊ける? 飲み水が美味しくなる? 防カビ効果(湿気取り)がある? などなど子どもの興味関心はどんどん広がりました。ネットで購入できる備長炭も紹介し,普通の炭との違いも体験させました。

◆6年:呼吸

CIMG0111CIMG0134呼吸は無意識にしていますが,意識してするとなると,お腹を膨らますか胸を膨らます。実際は,横隔膜(しゃっくりで知っている児童あり)が縮んだり緩んだりしています。そして,肺(肺胞)が膨らんだりしぼんだりしています。この様子を見せる肺モデルに,中田さんは空気入れを接続しました。ナイスなアイディアですね。

◆6年:光合成による酸素の発生 動画

CIMG0127光合成による酸素の発生は,中学校でオオカナダモを材料にして実験されるものでした。今にして思えば,水草での実験ですよね。それがヨモギなどでできるなら,よりリアルに感じることができそうです。1.5Lのペットボトルに約6gの重曹を入れ,水を半分まで入れて溶かします。ヨモギ(セイタカアワダチソウ,シダレヤナギ)の葉を茎ごと3〜4本入れます。水を満たし,軽く叩いて気泡をできるだけ取り除きます。1〜2時間ぐらい直射日光に当てると酸素が発生するので,一箇所に集め,取り出して火のついた線香で酸素であることを確かめます。

◆6年:二酸化炭素の性質

CIMG01052学期に,二酸化炭素は水に溶けやすい気体だと学びます。炭酸飲料やビールなどのシュワシュワが二酸化炭素だとわかると,驚くとともに,飲んでも大丈夫?と心配になる子どもが出てきます。そんな子どもの実態を踏まえてか,中田さんは,ドライアイスで炭酸ジュースを作らせました。酸アルカリの学習につなげることができそうです。

第15回 ゴリラボ・大塩理科研究会 2016/05/21

★例会報告

28年度最初の例会です。会場は,内山先生のご尽力で,新設された近大姫路大学の新2号棟309の理科室を使わせてもらえることになりました。水・電気はもちろん,ICT機器も充実していてありがたいかぎりです。今回は他の会等とブッキングしていて参加できない方があり残念でした。でも,若い方からの情報提供があり,ベテランがアドバイスするなど,会のあり方も充実してきました。

★Science Introduction

◆身近なスミレを探そう

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高田要さんが自宅周辺の半径2kmの範囲で見つけたスミレを持参されました。その数なんと14種類! 近畿地方に43種。スミレ濃度が濃い地域なんでしょうか。種は,鋸歯の有無,有茎種と無茎種,葉の形,母種と変種などで区別します。スミレを教えるにあたって2つ押さえる点があるそうです。1つは開放花と閉鎖花。閉鎖花は,花が咲かないで実がなります。なぜ2種類あるのでしょう。それは,閉鎖花によって確実に自家受精で種子を作る一方で,開放花によって他花受精による種の多様性をねらっていると考えられます。もう1つはエライオソーム??? 種子に付いている小さな付着物で,舐めると甘い。アリが種子を巣に持ち帰り,エライオソームだけを食べて種子は捨てます。こうして種子は,遠く広く散布されるのです。高倍率ルーペで見ると,その存在がはっきり分かりました。

CIMG9866万葉集で山部赤人が「春の野に すみれ摘みにと来しわれそ 野をなつかしみ 一夜寝にける」とすみれを詠んでいます。この解釈は間違われやすいそうです。実は当時,すみれは食材だったのです。つまり,花ではなく野に葉を摘みに来ていたのです。

 

 

★Presentation&Experiences

◆3年:電気で明かりをつけよう・・・外国籍の児童が多い学校での指導

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若い伊藤さんに,ベテラン組も経験したことのない環境の中で奮闘されている様子をレポートしてもらいました。兵庫理科にも掲載されています。日常生活で使用する「生活言語」は身についていくのですが「学習言語」は定着しにくく理解に時間がかかります。大事な言葉と事物・現象が一致しないのです。そこで,「教科指導型日本語指導の視点に基づく授業づくり」を柱として,理解支援・表現支援・記憶支援の充実を図りました。中でも穴埋め式のワークシートに大事な言葉を書き込ませ,それを繰り返し復唱させることで成果が上がり,50点から7〜80点にもアップしました。しかし,調べ活動に時間を取ったり,実感を伴った理解ができるような手立てに時間を当てたりできないことが悩みどころだそうです。

山崎さんによると,通常の取り組みでは,記述問題は特に低い結果になりがちです。対策としては,ペアトークや問答集があります。質問部分と答え部分があり,半分に折って使います。一人が発問し,もう一人が答える。このように問題を出し合います。す。先生が発問してわかった子が答えるのでは,理解しにくい児童が置いてきぼりになります。発問されたら必ず答えるようにしていると意識が変わります。テスト後に正答率を取り,次年度も同じテストを使うことで,変化を指導に生かされています。

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疋田さんは,基本的なキーワードから自分たちの言葉をつないでいって,コンセプトマップを作らせます。導入時はありきたりですが,授業後では驚くほど広がりのあるマップになり,明らかな成長が見て取れます。年間通して取り組んでいると慣れてきて,見えないものがつながっていきます。感情・感覚的な言葉も定着しやすくなるそうです。他の人のマップを見合うことで,良さを認め合うこともできます。

CIMG9864内山先生から,大学生も同じような取り組みをダイソーのホワイトボードを使ってしているそうです。実験して結果や分かったことを人に分かるように書かせます。ホワイトボードの裏に磁石をつけて黒板に貼り付けられるようになっています。自腹を切る値打ちはあります。発表させることが日本語の習得につながるし,認め励ますことで意欲も高まります。

◆3年:プロペラカー

IMG_9374CIMG9877ウインドカーやゴムロケットカーで,条件を変えて走行距離を測ります。ところが,市販のキットを使っても,送風機の性能,床とタイヤの摩擦,力の加わる向き,床の平坦さなど,様々な要素がからんで客観的な結果が出にくいのが悩みの種です。そこで内山先生は発想を変えて,ならば遊ばせよう! よく走る車にするにはどんな工夫をする? タイヤやプロペラ,ゴムなどは市販品を使います。3年生ですから,工作能力に大きな差があります。だからいろいろ工夫して楽しむことに重点を置きます。

CIMG9883ということで,参加者が思い思いの工夫をこらして車を製作。走行距離を競いました。優勝は,柳田父娘さん。理科室の壁に激突するほどの高性能カーを作り上げました。コツは,タイヤとボディーの間に小さなストロー片を入れることで摩擦を減らしたこと,ゴムを3重巻きにしたことです。山崎さんから,目からウロコのウンチクも。零戦のような単発飛行機は,垂直尾翼が少し斜めに振ってあるそうです。その方が安定した直進性が出るのだとか。それで,本体のペットボトルをほんの少しずらして固定されていました。工夫解説動画

◆3年:チョウを育てよう

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チョウが蛹から羽化する瞬間を子どもたちに感動的に体験させたい!クラスで追試する場合は,50匹以上の幼虫を育てる必要があります。採集した幼虫の多くが,アオムシコマユバチに寄生されているからです。また,成長度合いが違うので蛹化する時期がずれるからです。比較的数多く採集できるモンシロチョウの幼虫を集め,スーパーのキャベツで育てます。

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羽化抑制

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羽化直前のモンシロチョウの蛹を一晩冷蔵保存し,次の日に外に出して腹節3節残して空隙化したら再冷蔵。羽化させたい時間に外に出して白熱電球で28〜30℃であ加温。30分ほどで羽化する瞬間を皆さんに観察してもらえました。

IMG_9109子どもに体験させたいのは,羽化成功という明の場面だけでなく,羽化失敗や寄生などによって命を失う,自然の中で生きていくことの厳しさです。自分の存在やあり方について考える機会にもしたいのです。蛹化前のアオムシコマユバチの幼虫動画

 

◆4年:バッタ女子

IMG_78834年の女の子たちが,春に採集したショウリョウバッタの幼虫を,イネ科の葉を与えて夏越えさせ,成虫まで育て上げました。なかなかの快挙です。全ての抜け殻をプレゼントしてもらいました。

 

◆4年:カブトムシの観察 幼虫→蛹→成虫

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竹田の小林会長のご好意で,毎年カブトの幼虫をいただき,4年生が観察・飼育しています。触れることさえできない児童もいますが,本物を目の前にすると,新たな発見がどんどん出てきて,愛着もわいてくるようです。でも,正直,最後まで好きになれない児童がいるのも事実ですが。ペットボトルの中で蛹化します。

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その蛹を,一人一人手に持たせます。「蛹って動くんや!」初めての体験です。OHPシートを巻いた透明パイプに入れ,羽化まで観察します。羽化したては,前羽や腹部が白くてちょっと神秘的。わずかな間だけなので,見られたらラッキー!

◆5年:種子の発芽と成長

IMG_7111青インゲン豆にヨウ素液を垂らすと,真っ黒に染まることが多いようです。原因は,ヨウ素液の垂らしすぎ。ヨウ素液の薄め方にもよりますが。2日間水に浸けていた種子は少し幼根を出しています。皮をむいて広げると,幼芽が見えます。この状態でヨウ素液を1〜2滴垂らして数分すると,子葉の部分だけが青紫色に染まります。でんぷんが含まれているところ含まれていないところが一目瞭然です。どうしても黒くなる場合は,ほんの少しの片栗粉に1滴のヨウ素液を垂らし,水を滴下して薄めます。2滴以上垂らすと黒くなるので控えさせます。プレパラートにして,デンプン粒が青紫に染まっていることを見せます。

◆5年:メダカの受精卵で血流観察

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孵化前の受精卵を顕微鏡で観察します。解剖顕微鏡より双眼実体顕微鏡,より普通の顕微鏡の低倍率(40倍)で観察すると,くっきりはっきり心臓や赤血球の動きなどが見られて感動します。わずか1㎜の卵の中で心臓が動き血が巡っている。6年生にも見せます。4週目4㎜の胎児の心臓が動いていることにつなげることができます。

◆6年:植物の道管観察

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教科書に,発展としてレインボーローズが紹介されています。オランダから毎日空輸されているので,ネット注文して取り寄せました。驚くほど美しく,花脈が目立たないことと,花弁1枚1枚が別の色に染まっていることが,花言葉どおり奇跡的です。白バラを専用の染色液で染めてみましたが,花脈が目立って美しくない! 本家の足元にも及びません。柳田さんから,百均のプリンター詰め替えインクでもできると情報をいただきました。早速挑戦してみます!

IMG_9280挑戦しましたが,やはり惨敗でした。詳しくは以下を御覧ください。http://www.jss.or.jp/fukyu/kagaku/data/798.html

 

第14回 ゴリラボ・大塩理科研究会 2016/02/13

★例会報告

今年度最後の例会です。今回も多くの方々と情報が集まり盛会になりました。参加された方からの情報提供が多くなり,幅広い分野で楽しむことができました。若い方からの情報提供も増えることを期待していますよ〜

★Science Introduction

◆百均リングキャッチャー

IMG_8582リングキャッチャーはナポレオンズ(芸人マジシャン)の38年前からのネタだそうで,例会の2日前に,ウッチャンのスーパースローカメラでその秘密が暴かれたばかりでした。ホームセンターで揃えると500円はかかるのですが,ダイソーで見つけてびっくり。即,買い占めて皆さんに。もちろん108円。驚きの仕組みがしっかり図解されているのもありがたい!

 

手作りコンニャクの試食 蒟蒻芋に注意 ←動画

CIMG9496CIMG9497蒟蒻芋は,出世魚のように名前が変わるって知ってました? 1年目は「じゃみ」,2年目は「みかん」,3年目にようやく「蒟蒻芋」となって食べられるようになるそうです。大変な年月と手間がかかるコンニャク作りなんですね。その割に安い! 柳田さんが,手作りコンニャクを参加者に振舞われました。初体験の人が多く,さすがの美味さに笑顔&笑顔。また,コンニャクはアク抜き(消石灰で)が必要だと何となく知っています。ここで追加情報。茹でたコンニャクイモを少しでも食べると絶対にダメ!! 針が刺さったような痛み(経験者は語る)があるそうです。知らなかった〜 気をつけましょう。

◆新しいデジタルカメラの活用 かいわれ大根発芽比較 日かげの移動←動画

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玉田さんから付加価値のあるカメラの紹介がありました。①「リコーOPTIO WG-3 」水中使用が可能なうえ1㎝接写ができます。何と28.8倍まで拡大が可能。しかもリングLEDライト付きなので影が写りません。顕微鏡がない状況で四苦八苦されたそうですが,窓ガラスやCDの透明部分にムラサキツユクサの表皮をはって裏からライトを当てると,くっきりと気孔を写すことに成功! ②「カシオEXILIM EZ-ZR850」タイムプラス撮影(インターバル動画)ができます。日光による影の動きや,かいわれ大根の成長の様子を撮っておいて,リアルな変化を子ども達に見せることができます。さらに,デジカメによる定点撮影で長期観察記録ができた実例も紹介。①天気による視界の変化(2年間)②潮位の変化(2年5ヶ月)③クロマツの成長(11ヶ月)まさに,継続は力なり実証なりを目の当たりにさせてもらいました。

◆回路カードの作成

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森本雄一さん考案の銅箔テープ(シール式)で作る回路のアレンジ版を玉田さんが紹介されました。材料や詳しい作成手順・コツのプリントをいただいたので,すぐにでも実践にかけられます。さらに,Agic銀インクマーカー(amazon,1200円)も紹介。これを使えば自由に回路図が描けるので,より便利で楽しく自由度が高くなる優れものです。マグネットホワイトボードに塗り,黒板に貼って使えます。教材会社からも市販されるそうです。それまでにゲットしておきましょう。

◆立春卵の秘密

CIMG9614CIMG9620「コロンブスの卵」は皆さん知っていたのですが「立春卵って何?」 知っている人はなかったので,皆んなで初体験。1947年,中国で立春の日に卵が立つという実験?を公開したそうです。当時各国の記者が集まって,すごいと話題になったそうです。しかし,日本の中谷宇吉郎先生(雪の科学博物館)が疑問を感じて試行。実は誰でもいつでも立たせることができることを証明されました。畳の上で100日以上立ち続けた報告もあります。『何事も鵜呑みにせず』というスタンスが大切ですね。卵を立たせるにはある条件が必要です。まずは立たせて秘密を見つけよう! 内山先生が何と10秒ほどで初成功。その後も「立った!」と成功者続出。それもそのはず。高田要さんが,立ちやすい卵をセレクトしてくださっていたのです。さて,その秘密とは。ルーペで拡大すると,殻の表面に突起(凸凹)がたくさん見つかります。卵の底に突起が最低3つあれば立つ(3点倒立)のでした。

◆フラットベルトでもムチの炸裂音←動画

IMG_8564前に紹介した荷締めベルトのムチで,衝撃波による炸裂音を体感してもらいました。テーパー状ではないのに炸裂音が発生する意外性を知って欲しかったのですが。上は2m,下は1.3m。先に付けるクラッカーがポイントで,これがないと音はしません。日本スポーツウィップ協会で購入できます。http://sportswhip.com/index.html

◆おもちゃ大賞の2品

IMG_8566IMG_8565「大車輪てつぼうくん」2014年度のおもちゃ大賞を受賞するだけあって,振り子の原理で大車輪が簡単にできます。さらに,慣れれば着地まで。棒から手が離れる仕組みが謎ですがおもしろい!ただ,現在プレミア状態で割高。「ぐるぐるドライブ」手まわし発電機でピカチューカーに充電できます。しかも,赤外線によりハンドルの回転で前進・後進コントロールができます。2012年度物なので半値以下でゲットできました。

◆シンキングパティ

CIMG9510 大江さんが衝動買いされたシンキングパティ(動画がおもしろい)は,かつて四酸化鉄で自作していた磁性スライムが商品化されたものです。真っ黒だけじゃないのが新しい! 専用磁石でいろいろ遊べます。https://www.youtube.com/watch?v=DBrkHgpTBA4

 

◆中田さんの理科朝会ネタ

CIMG9555CIMG9556今回の理科朝会での目玉:モンキーハンティング。練習の60〜70回では失敗続きでしたが,本番だけ大成功&拍手喝采! 強力なブロアーが必要でした。

★Presentation&Experiences 

◆3年:見て観てなっとく!!磁界の可視化

CIMG9502CIMG9503磁石は3年生にとっては何てことない普通の教材かもしれません。しかし,身の回りの磁石には,既習事項とは違う不思議がいっぱい! マグネットシートは裏向けると落ちるし,マグネットバーは真ん中でもつく???

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子どもの知ってる磁石と違う磁力を,ビュワーシートなら見せることができます。しかも,普通は1枚700円ほどですが,大江さんが300円で済む商品を探し出してを分けてくださいました。これなら班の数分を揃えることができます。調べてできた模様は,棒磁石でシュッとこすって元どおり。

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ただ,NS極がわからないのが難点。これを一目瞭然で教えてくれる商品も紹介。その名も「NSくん』 NS極が細かく交互に配置されたマグネットシートの極も一目でわかります。ただ,1個20000円はないやろ!!

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そこで奮起された大江さんが開発された「ピップエレキバン式NSくん」は,遜色ない性能で材料費はタダ同然! ピップエレキバン1粒を6mmの短いストローに入れ,両端をBB弾で挟むだけ! ピップエレキバンは肌に当たる側がN極(そ〜なんだ)なので,不透明赤インクで目印を付けておくのがミソ。これは電磁石にも使える優れものです。簡易NSくん←動画

◆3年:磁石の魅力紹介

CIMG9557中田さんも3年生にとっての磁石は今更? 新鮮味が少ないのです。そこで,目先を変えることで子どもの目を釘付けに! 強力リング磁石にカットしたビニタイを振りかければ,花が咲いたように磁力線が可視化。U型磁石にくっつけてもも面白い。砂鉄と違って,汚れないし取れやすいのも利点です。

CIMG9559CIMG9563リング型ネオジム磁石をアルミパイプに通して落とすと,渦電流が発生し,落下にブレーキがかかります。アルミより銅の方がゆっくり落ちます。←動画

CIMG9569ネオジム磁石をアルミパイプに入れて落としても,渦電流が発生してゆっくり落下します。パイプの内径が磁石の直径とほとんど同じだと,おどろくほどゆっくり落ちました。←動画 ネオジム磁石で鉄球をかっ飛ばすガウス加速器。←動画 廃品のカーテンレールを使ったのが新しい!

 

CIMG9572CIMG95752枚のネオジム磁石を1つはN極,もう1つはS極を上にしてプーリーに貼り付け,モーターで回します。スイッチは豆電球! セットの上に置いたブランデーグラスにピップエレキバンを落とすと,音を立てて踊り出します。←動画 丸底フラスコに入れると,コマのように回り続けたのにはビックリ!

その他,磁力の弱った棒磁石,U型磁石などを児童玄関の長机に並べて置いて,児童に自由に使わせているそうです。きっといつか,何かの芽が出てくることでしょうね。

◆6年:LED電球の普及

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LED電球は,家庭の照明,イルミネーションなど,様々なシーンで普及しています。もちろん信号機にも。しかし,北海道で普及率が兵庫県と比べてもとても低いのはなぜ? 既習の子どもに問うと「熱で雪が融けないから」と正解者が数人出ます。

CIMG9544CIMG9625 その違いを体感させようと,内山先生は,ホームセンターの850円のクリップライトと同じW数のLEDライトを台(85円の物入れ)に並べて比較実験器に。体感すると違いは明らか! 中田さんは,それにエコワットをかまして消費電力の違いもわかるように工夫されています。クリップライトで エコワットで←動画

◆6年:風力発電から火力発電に

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ペットボトルと専用モーターで,簡易風力発電機を作りました。羽根のひねり具合がポイントです。内山先生が水蒸気加熱セットを持ち出され,火力発電モデルに転用できないかと試行しました。ところが敵もさる者。勢いよく回りはしますが,LED点灯までには至りませんでした。

◆5年:食塩・ミョウバンの溶解にウォーターバス

IMG_8577備品として転勤先にあったウォーターバス。約3万円と値は張りますが,30℃,60℃の温度設定がサーモスタットと温度計で管理できるので便利です。これが使えるとは思いつきませんでした。4年の空気の膨張実験にも使えるので,班の数は揃えたいところです。

 

◆6年:爪切りと洗濯バサミの仕組み説明に

IMG_8478IMG_8451前回バールとパンばさみで爪切りの説明教材を紹介しました。しかし,バールの役割を間違っていたので,第1のてこではなく第2のてことして働いていると訂正しました。洗濯バサミは閉じた時に力をセーブする第3のてことして働いているのですが,痛いイメージがあります。そこで,百均のベランダピンチは大きくて仕組みがわかりやすく,閉じても痛くないので説明用具として使えます。

◆6年:使い捨てカメラの電解コンデンサー

IMG_8580IMG_85791.5Vを300Vまで昇圧してフラッシュを焚いています。その電気を蓄えているのが電解コンデンサー。それを利用した「電撃ヒヤヒヤ棒」を体験してもらいました。感電よりも注意すべきは,激しいスパークによるアルミ線の小片飛散で,安全メガネ装着が必要です。

◆6年:電気の利用をオリジナルシナリオで

乾電池が1.5Vでコンセントが100V。教えないと6年生でも知りません。年配には100V感電体験者が少なからずおられました。しかし,4.2(死に)Vといって,わずかな電圧でも人によっては死に至ります。感電は危険です。

CIMG9580中田さんは,ACアダプター(中古100円〜)を使い,4.5V(例)まで下がっているので100Vにつないでも豆電球が点くことを見せます。また,直流と交流電流や東西日本の電源周波数の違いにも触れるそうです。

 

CIMG9596ブレーカーの存在を教え,故障でどこかがショートしたり許容量を超えて使ったりすると,電流を自動的に遮断してくれる安全装置だとわかる実験を見せます。電気ポット・ドライヤー・アイロンなどをタコ足配線して,ブレーカーが落ちる瞬間を見せるのです。←動画

 

CIMG9601IH調理器に,水入り空き缶を載せます。加熱を開始してから,エナメル線をたくさん巻いて作った二次コイルを近づけます。すると,電磁誘導で豆電球が点灯します。子どもには不思議な現象でしょうね。ピタパも同じような仕組みだと教えます。

 

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家にある電化製品(コンセントと乾電池に分けて)をレポートさせます。また,電気代の請求書を各自見せてもらいます。さらに,エコワットを各自に持ち帰らせ,どれが一番電気を食ってるか調べさせます。光・音・熱・動き,さてどれでしょう。電力・時間・およその費用をレポートさせると,熱が電気代をよく使っていることがわかります。電気ポットで年間約2000円。う〜ん安くないかな。

CIMG9605水力発電キットをネット購入。ホースを蛇口につないで水を流すと発電します。しかし,豆電球はなかなか点きません。モーター(プロペラ)につないでみるとグングン回ります。←動画 この違いから,熱の次は,意外に光が電力を食うのだと説明することができるシナリオです。

このように教科書の枠にとらわれず,子どもの日常・生活に切り込んで,文字通り身近な電気の利用を体験・納得させる授業は,確かな理解と記憶に残ることでしょうね。

 

 

 

 

 

フラットな荷締めベルトでもムチの衝撃波!

ゴリラボ・大塩理科研究会の皆様,あけましておめでとうございます。本年もできるだけ集っていただき,会が盛り上がることを祈念しております。どうぞよろしくお願いいたします。

さて,科学実験・原体験データベース(web)にもアップしましたが,ムチによる衝撃波(動画)の発生について,新たな知見を得たので報告します。

1ムチは皮紐で編んで作られ,先に向かってどんどん細くなっていく形状をしています。そのため,腕の振りが重い手元から軽い先端に向かって伝わる際,そのスピードが加速度的にアップしていきます。そして,先端のクラッカーの穂の部分にまで伝わった時に音速を超え,衝撃波が発生して,激しい炸裂音がする(web)と説明されてきました。

2今回報告するのは,越市太郎さんが開発された,フラットな荷締めベルトタイプのムチです。先にクラッカーを結びつけてはいますが,そこまでは細くなることなく,同じ幅のベルトです。これでは,振りの力が収束されていかないと思われますが,遜色ない衝撃波(炸裂音)が発生します。ただ,長さに限界があります。通常のテーパー状のムチは6m以上のものもあります。しかし,荷締めベルトタイプの場合,3mでは不発でした。ベストは2m。子ども用は1.3mにしてあります。

長さに限界はあるものの,ムチ=テーパー状という既成概念を打ち砕かれて,個人的にワクワクしています。荷締めベルトでも衝撃波が発生するのは,しなやかである程度の重さがあること,表面に細かい凹凸があるので空気の粘性の影響でブレーキがかかることなく,腕の振りがスムーズに先端までループ状に伝わっていくからだと考えられます。

衝撃波直前なお,衝撃波が発生しているのは,スロー動画(動画)をコマ送りすると,ほぼ頭上でクラッカー部分が姿を消しています。最も速度が速くなっている証拠で,ここで炸裂音が発生しています。

子どもでも比較的簡単に打ち鳴らせるムチができたわけですが,教材としての使い道がないのが難点です。

最後に,動画のムチの振り方は正式ではないことをお断りしておきます。上述したように大きく振り上げて前に振り戻す際,きれいなループが後ろから前へ伝わり,最後にクラッカーの部分で解けて炸裂音がします。つまり,音がするのは頭上ではなく,最先端だということです。

第13回 ゴリラボ・大塩理科研究会 2015/11/28

★例会報告

今日は柳田さんチームや常連さんが参加できず残念でしたが,新しい参加者が増え,資料やお土産が15部で足りなくなるという,うれしい傾向です。貴重な時間を割いて集られる皆さんと,有意義で有益な会になるよう気持ちも新たに! と書いておきながら,ブログ担当の更新がこんなに遅くなって申し訳ない限りです。更新は,忘れた頃にやっている!?

★Science Introduction

◆全国学力・学習状況調査の分析から

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内山先生が,まとめられた分析結果の一部を紹介されました。兵庫県は全国とほぼ同レベルの結果でした。特筆すべきは,理科で福井県が高い正答率を示したことです。その要因として「ふくい理数グランプリ」が開催されたり,電力会社主催の比較的レベルの高い「科学体験教室」などが以前から数多く開催されるなど,教科書レベルを超えて,理科に対する興味関心を高めさせる取り組みが充実していることが考えられます。同じく上位にある富山県でも,北陸電力「ワンダーラボ」を中核として,児童・生徒が日頃から科学に親しめる環境が充実しています。メンバーの勤務校でも,教科書レベルに加え,理科の不思議や面白さに触れる実験や観察を授業に盛り込んだり,様々なサイエンスグッズに触れさせるなどした結果,高い正答率を出した例もあります。理科大好き児童・生徒にとっては,初めて相対するタイプの設問でも臆することなく,楽しみながら解けたのではないでしょうか。

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学力テストではかることができる学力とはなんでしょう。子どもの興味関心はアンケートで,技能はパフォーマンステストで評価したりします。ペーパーテストではかれるのは思考力と知識になります。理科の学力を高める要素は7つあると,内山先生が以前から話されています。学年ごとの思考のキーワードも設定されています。

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しかし,知識の注入だけでは確かな学力として結果には現れません。例えば,顕微鏡の操作やメダカの雌雄の区別問題では,実際に目で見て確かめた体験が大切です。振り子の周期の問題でも,比較・条件制御しながら協力して実験結果を出し,グラフ化したり,考察を加えたり話し合ったりする経験があることで,確かな学力として定着していくと考えられます。

CIMG9161CIMG9163また,有効な指導法として,実験・観察体験をエピソードに置き換え,イメージで納得させるという手法を紹介されました。例えば雲の発生については,満員電車の中は暑苦しいけれど,一人ホームに降りると寒い,つまり,膨張すると涼しくなると例えて説明することで,イメージを定着させるのです。

CIMG9165CIMG9166アクティブ・ラーニングについては,個々の知識や経験を,自分の言葉で文章化したり話し合ったり発表し合ったりすることで共有化を図るという,授業形態の工夫も大切だと話されました。

◆AR(動く!)元素表

CIMG9171以前からあった東京エレクトロン提供の元素表が進化していると,中田さんが紹介されました。アプリをDLしてスマホを表にかざすと,各元素の説明をイラストが動いて教えてくれます。その内容が,1つ1つほ〜っと感心するほど面白いのも魅力です。返信封筒と切手だけで希望数を送付してもらえるので,ぜひゲットしましょう。http://www.tel.co.jp/genso/periodic/

◆100円ショップで鉱物ゲット

CIMG9277キャンドゥーでは,ケースに入った珍しい鉱物が手に入ります。コレクションとしての値打ちもありそうです。6年生の男子が欲しがりそうですね。筋や色の入った石ころに,異常な興味を示す時期ですから。

 

◆100円ショップの防災グッズ

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百均でいろんな防災グッズ(ホームセンターでは数百円)が手に入るそうです。タンスなどの転倒防止用やポンチョになるアルミシートなど。108円なら,あちこちに惜しみなくセットしたり,家族の数だけストックしておけますね。

★Presentation&Experiences 

◆4年:水の温まり方

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水の温まり方を観察する定番となった「サーモインク」。40℃以上になると,色がブルーからピンクになります。温められた水が下から上へ移動してどんどん溜まっていき,やがて全体が温まる様子が確認できます。つまり,対流していないことが明らかになる優れもの。このインクで人工イクラを作り,粒が変色しながら移動していく様子が確認できる実験を追試しました。結果的には,粒にするよりインクのままの方が,正しい動きが再現できるという見解になりました。人工イクラの作り方は http://www.jss.or.jp/fukyu/kagaku/data/786.

◆4年:水⇆水蒸気(風船入・出←動画

50mLほどの水を入れた500mLの丸底フラスコを実験用ガスコンロにかけ,沸騰させます。熱いので,教師がフラスコの口に風船(22㎝)の口をかぶせます。ゴムを引っ張って,風船が中央に来るようセットするのがコツです。火を消して膨らんだ風船が萎んだら,端をつまんで引っ張っておきます。中に吸い込まれそうになるので,頃合いをみて指を離します。すると,ピュンと風船が吸い込まれ,中でどんどん膨らんでいきます。沸騰させると中の空気が追い出されるので,冷えて水蒸気が水に戻ると内圧が極端に低くなり,大気圧で口から空気が入り込んでくるからです。火をつけると,風船はまた外に顔を出します。水と水蒸気の関係がわかる,子どもに大人気の実験です。http://www.jss.or.jp/fukyu/kagaku/data/87.html http://www.jss.or.jp/fukyu/kagaku/data/208.html

◆4年:水蒸気と水の平衡状態 ←動画

IMG_8349「膨らんだまま放っておいたらどうなるの?」という子どもの疑問には「そら,破裂するか吹っ飛んでいくやろ」「危ないからその前に火を消してよ」と注意を与えてきました。参加者の予想を聞いても同意見。しかし,中川さんだけが「現状維持!」「そのまま?そんなことあるはず・・・ほんまや〜」という実験を楽しんでもらいました。十分に膨らんだ風船の中で,水が筋を引きながらフラスコの中に戻っていきます。つまり,コンロの過熱が水を水蒸気に変化させ風船が膨らみます。しかし,外気温に冷やされて風船の中の水蒸気が水に戻ります。結果的に平衡状態となり,破裂・飛び回ることはありません。ただ,破裂したり飛び回ったりして熱い水滴をばらまかないとも限らないので,子どもたちには,離れたところで安全メガネをかけて観察させるようにしましょう。

◆4年:水の三態と,水蒸気と湯気のモデル

IMG_8345水の三態は,BB弾と透明ゴミ袋で説明します。袋の隅に集めて固体,ザザ〜と左右に移動させて液体,膨らませた袋の中でバンバン振って気体状態。虹スクリーンの材料で0.3mmの真球プラビーズで,湯気と水蒸気の違いを説明できないかと考えました。ビーズを1つ1つバラバラにしてルーペで見ると透明=目に見えない=水蒸気状態,ビンに集めると光が反射して白く見える=小さな小さな水の粒=湯気状態,ビンに水を入れると隙間がなくなって透明=水状態という説明です。いかがでしょうか。

◆5年:振り子の等時性 

振り子の1往復する時間(周期)は,振り子の長さが変わったときだけ変わることを学びます。以前話題に上がったように,振れ幅が大きくなるとズレが生じることを学ぶのは高校物理です。しかし,小学校でも,長さ50㎝で振れ幅30°(1.4秒)と60°(1.5秒)と明らかな違いが出たので報告します。振り子の周期の公式は,振れ幅が狭いときの近似式だと明らかになりました。

◆5年:お寺の鐘を指1本の力で揺らそう! ←動画

1トンほどはあろうかと思われるお寺の鐘ですが,振り子だと考えると周期があるはずです。実は,小指で押しても簡単に揺れます。少し揺らしてメトロノームアプリで周期をつかみ,その通りに押します。すると,小指で軽く押すだけでどんどんと大きく揺らすことができます。お寺の方の許可を得てから実験してください。揺らし過ぎに注意!

◆5年:流れる水のはたらき

CIMG9199授業の流れを変えてみましょう。川の写真(先生が撮った→食いつきが違う)を先に見せて,教科書はその後で。降る前後(ビフォーアフター)で大量の土砂が運搬されて堆積のすごさが明らかになります。「水が流れてるのここだけやん」さらに「この土砂はいつまでもここにあるの」と問うと,一旦ここにあるけれど,また流されて下流に運ばれるというように,先のことまで見えてきます。その後で実験すると,そのイメージが残ったまま学習を進めることができます。

◆5年:天気の変化

CIMG9203ゲリラ豪雨で降水量○○mmとか表示が出ますが,子ども達はその意味が分かっていません。そこで,ペットボトルの下を石膏で固めて側面に定規を貼れば,円筒形の雨量計になります。雨の日に外に出しておいて「降水量○○mmってこれだよ」と具体的に示すことができます。

 

◆6年:爪切りとてこ ←動画

IMG_8356第1〜第3のてこについて具体的な道具を持ち寄り,どのタイプか分類していきます。爪切りは単純ではなく,2つのてこの合体タイプです。バールとパンばさみを組み合わせると,理解しやすいモデルになりました。ただ,パンばさみは第3のてこですが,本来第1のてこであるバールは,ここでは第2のてことして働きます。

◆6年:延長バール

バールで釘(35㎜)を抜く体験によって,支点から力点までの長さが長いほど大きな力を発揮できることを学びます。抜けない釘(70㎜)を抜くためには,もっと長くしなければ・・・そこで鉄管(イレクターパイプ,1.5m)をかませると・・・片手でクイッと抜くことができてインパクトのある体験になります。

◆6年:棒担ぎとてこ

子どもの頃見た,おじさんが棒に荷物をぶら下げてひょいひょい運んでいる姿を「てこマスター」として紹介しています。特に,棒を手で掴まず,腕を伸ばして手首を引っ掛けるだけでよいという点が印象深く残っています。黒田さんが,「スキーのソリ担ぎもそうですよね」と教えてくださいました。

◆6年:てこ実験セット

壊れた箒の棒,水入り2Lペットボトル,荷造り紐で一通りの実験ができます。移動可の支点・力点・作用点カードをセットすると,言葉も距離関係も理解・定着しやすいでしょう。作用点の移動は,釣りの「穂先結び」をしておくとお手軽です。

◆6年:災害とてこ

阪神淡路大震災時には,自衛隊の到着を待たずして,近隣の人々が多くの方を瓦礫の下から救い出したそうです。そのとき役立ったのが「てことジャッキ」だったと言います。また教訓として,それ以後レスキュー車には2mほどのバールが装備されることになりました。てこの知識を使って人助けができるようになって欲しいと「指1本ジャッキアップ体験」を実施しています。できるだけ,支点と作用点を短く,支点と力点を長くすることのメリットを体感させます。

◆6年:輪軸

CIMG9173CIMG9174実生活の中では,てこよりも輪軸の方が具体例が多いかもしれません。ただ,よくやる「バットの太い方と細い方で力比べ」では,反対の結果が出る場合もあります。そこで,中田さんは廃品などで間違いない体験器具を製作されました。

◆6年:水溶液の性質1

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中西さんの夙川小学校では,ジグソー法での学習のレベルが高まってきているようです。例えば,7種類の謎の液体を用意します。それを同定する武器は,鉄・アルミ・謎の指示薬(BTB液)・二酸化炭素ボンベの4つ。班を解体して各自が実験・検証します。そして,班に戻って結果を報告し共有し合います。児童が検証しやすいように,ワークシートを準備するという配慮もなされています。来年度も,ジグソー法が有効に機能しそうな単元を設定した本研究発表会に臨まれます。また「実験と観察」という理科部会の冊子が,何と53号にもなります。この蓄積が,新たな授業スタイルを生み出す原動力なんでしょうね。

◆6年:授業スタイル

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中田さんの授業スタイルは基本的に教えない。調べてきて自分たちでやって確かめさせます。この実践を積み重ねていくと,力がついてレベルが上がってきます。月・太陽の単元は,子ども達がプレゼンしたそうです。理科室・学校にあるものは貸し出し,準備室にも入室可。子ども達は喜んで取り組み,達成感を味わい,またやりたいと意欲をみせたそうです。

◆6年:水溶液の性質2

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水溶液の単元では,廊下に指令書を貼っておきます。子ども達はそれを読んで班で相談し,事前に調べてきます。授業では,子どもがあれ・これ貸してくださいとリクエスト。そして,最終的には,どの班も課題を解決していきました。

◆6年:地層,断層,化石ができるまで ←動画

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中田さんの6年生は,自主的に自作の資料でプレゼンをしてくれたそうです。工夫や仕上がりもなかなかのものですね。

◆6年:火山の噴火モデル ←動画

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最もホットな火山の話題といえば「西ノ島」。噴火からもう2年。噴出物は4億トン。火山活動の長さにしても噴出物の量にしても,前代未聞の火山島です。こうしたタイムリーな情報を授業に盛り込まない手はありません。ただ,噴火の映像だけではイメージは不十分です。そこで,重クロム酸アンモニウムを使った噴火実験を見せました。重クロム酸アンモニウムは劇薬ですが,火をつけると大量の灰?を噴出します。モデルとして火山灰の噴出や降灰状態がよくわかり,参加者からも感嘆の声があがっていました。

◆6年:液状化現象 ←動画

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地震の際の液状化は,被災地域にとっては大問題です。オービタルサンダー(ヤスリがけの機器,ホームセンター)を使ったモデル実験です。地中の軽いもの(マンホール,空のタンク等)が浮かび上がり,建造物が地面に沈み込み,砂が水とともに吹き出します。つまり,濡れた砂の中でも浮力が働きます。それは,水は静かなようだけれど,中では水の粒が激しく動き回っています。だから,砂糖が溶けていくという説明にも使えます。透明ケースはサッカーボールのケースですが,円形水槽でもOK。小さいサイズ用には,毛玉とりの羽を1枚折り取って軸を曲げるだけで振動モーターになるそうです。

3年〜6年:独立単元「金属」

CIMG9216CIMG9217昔は単元が半端なく多かった(27単元)。しかも理科が週4時間あり,金属単元がしっかり取り上げられていました。現在は生活が便利になって,金属に対する意識が薄らいだのではないでしょうか。

CIMG9214CIMG9215そう感じていた中田さんは,自主的に6年の1クラスに対して独立単元「金属」を設定して授業されました。4年間に散らばっている金属学習では,以下の例のように概念が付いていません。6つの硬貨で電気を通すもの:正解者0人/60人。磁石につくもの:正解者8人/60人。

帰国子女に聞くと,オリンピックの銅メダルはブロンズ(青銅)メダルだそうです。純粋な銅(カッパー)ではないからです。ちなみに真鍮はブラスです。ですから,金管バンドをブラスバンドというわけですね。

金属での知ってる名前は?共通した性質はある?→電気・熱をよく通す。鉄釘は電気を通すが,錆びると?→通さない。錆を綺麗に落とすと電気を通す。→金属光沢にもっていく。叩くと伸びる?→くわしく勉強したい。もっと調べたいことは何?→やりたい人同士で組んで実験しよう。というような流れで単元がスタートしました。

CIMG9232錆は鉄の一部だろうかという疑問に対しての試行実験です。回数などの条件を合わせることは身についています。炙る・黒錆を削るを20回繰り返すと0.2g軽くなったそうです。時間がかかりましたが,休みの日にも全員やってきて喜んでやっていたそうです。

 

CIMG9236CIMG9223金属磨きの性能が最も高いのはピカールでした。アルミ缶の底も,顔が写るほどピカピカになります。磨く時間などの条件制御も考えています。

 

CIMG9241銅・アルミ・ニッケルを磨いて比較しました。裏はそのままにしておいて,磨く前後の違いが分かるようにしています。提示・説明の仕方などの役割分担も上手くなったそうです。

 

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昔の少年には経験者が多い,釘を叩いてやじりのように成形します。鉄の展性がわかります。鉛を叩いて展性を比較実験しました。その過程で,熱が出ること,脆くなることも見つけたそうです。また,亜鉛・錫・鉛で展性を比較しましたが,叩く力や回数などの条件を揃えて,明らかな違いを検証できました。叩き伸ばすための金床として,ホームセンターでレールをカットしたようなものを8個用意しました。

金属線を温めたらどれぐらい伸びるかという実験です。ポットの湯(約100度)で1分間加熱すると,ほんの少し伸びました。ガスバーナーで1分間加熱すると,ずいぶん伸びました。

CIMG9251学習の最後には,鉛で記念のメダル作りも予定されています。子ども達にとって単元「金属」は,記憶に残る体験になることでしょう。

金属に「金属光沢がある,熱や電気をよく,展延生がある」という3つの特徴があるのは,自由電子によって金属結合しているからです。ですから,小中の連携で上記の学習体験をすることで,金属の概念がよりしっかりと定着するだろうと考えられます。